独VW、赤字過去最大1980億円=排ガス不正費用響く―15年決算

 【フランクフルト時事】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は22日、2015年決算を発表した。排ガス不正の関連費用の計上が響き、最終損益は15億8200万ユーロ(約1980億円)の赤字となった。複数の独メディアによると、通期での赤字転落は1993年以来、22年ぶりで、赤字額としても過去最大という。

 15年の売上高は前年比5.4%増の2132億9200万ユーロと増収だったが、排ガス関連費用で162億ユーロの損失引当金を計上したことで、最終損益は14年の108億4700万ユーロの黒字から大幅赤字に転落した。排ガス関連費用には、リコール(回収・無償修理)対策費や損害賠償など法的費用が含まれる。

 営業損益も40億6900万ユーロの赤字だったが、同社は排ガス関連費を除けば前年並みの128億ユーロの営業黒字だったとしている。ミュラー会長は声明で「現在の危機が、当社の業績に大きな影響を及ぼしている」と認めた。