「日本死ね!!!」の匿名ブログをきっかけに国会でも議論されている待機児童問題。だが、無事に入園できたとしても、実は保育士不足を背景にド底辺化している保育園が増えている――
◆深刻な人材不足が生む劣悪な保育園の実態
保育園の数が足りていないうえに、人材の確保がままならず劣悪な保育環境のまま運営しているケースも少なくない。「保活していたときに見学したある保育園の衛生面が酷くて……。人手不足だからか明らかに掃除が適当に行われていて、園児が寝る部屋なのにゴキブリの死がいが放置されていてゾッとしました」と話すのは、1歳の子供を認可保育園に預ける加藤翠さん(仮名・26歳)だ。保育園として、第一に優先すべきことにすら管理が行き届いていないわけだ。
また、経営難の保育園で働いていたという高野春さん(仮名・28歳)からはこんな話も。
「風邪で熱が39度もあるのに、人がいないからと欠勤が認められませんでした。咳込みながらマスク姿で仕事をしていたので、保護者から『子供に感染したらどうすんのよ!』と大クレーム。その際に保育園側は、出勤した責任を私にすべて押し付け、保護者たちの前で土下座させられました。そのまま復帰することもなく、問題が起きる前にすぐ退職しました」
働く保育士の数が減少しているなか、保育園としては採用基準を落としてでも採用せざるを得ない。そんな低レベルな保育士たちが新たなトラブルを生む要因になることも。都内の認可保育園に2人の子供を預ける塩野亜紀さん(仮名・30歳)は、「友達感覚の保育士が多すぎる」とため息を漏らす。
「保護者と仲良くなるのはいいことなのですが、基本ずっとタメ口です。しかも、プライベートなことから重要事項まで連絡はグループLINEに送信して終わりです」
学生ノリが抜けず、プロ意識のカケラもない。なかには、休憩時間にそのまま帰ってこず、辞めていくケースもあるという。都内に複数の保育園を経営する和田義人さん(仮名・52歳)は、とても子供を扱うメンタリティではない保育士もいると教えてくれた。
「普段は温和な性格な女性なのに、イタズラした子供の胸ぐらをボタンが弾けるほどの力で掴んで怒鳴っていて、子供たちもあまりの豹変ぶりに呆然としたことがありました。どうやら子供を好き嫌いで分けていたみたいで、イタズラした子が嫌いな子だったので過敏に反応したみたいです。極端な区別をするのもよくないですし、怒り方も度を越してますよね」
子供をサポートする側がどうやら大人になりきれていないようだ。
― ド底辺化する[保育園]がヤバい! ―