近年、韓国を訪れる日本人観光客が減少し続けてきた。韓国では日本人観光客の減少とともに高級ホテルでは空き室が目立つようになり、日本人の客足が遠のいた店などでは悲鳴があがっているとの報道もあったが、この傾向に変化の兆しがあらわれつつあるという。
韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版はこのほど、韓国の済州(チェジュ)島では2016年に入って以降、日本人観光客が戻りつつあることを伝え、韓国の観光業界で注目が高まっていると伝えた。
記事は、済州島観光協会の発表を引用し、16年3月に済州島を訪れた日本人観光客の数は3621人に達し、前月比で55%増となったことを紹介。人数としてはさほどではないが、前月比で大きな伸びを示したことに対し、「激増」という言葉を用いて喜びを示した。
さらに、4月に入っても1日100人前後の日本人観光客が済州島を訪れていると伝え、16年1月からの人数は延べ1万人を突破したと紹介。日本人観光客は済州島でゴルフや遊覧観光を楽しんでいると伝えた。
記事は、韓国を訪れる観光客を国別で見た場合、日本人は1990年代から最多でありつづけてきたとしながらも、「13年に円安が進行し、さらに韓流の影響力が弱まったことで韓国を訪れる日本人観光客が減少していた」と紹介。15年に済州島を訪れた日本人観光客は前年比38.9%減の5万9233人にとどまったという。
韓国で日本人観光客が姿が戻ってきたというが、これは一過性のものだろうか。日韓関係が小康状態となっていることも訪韓する日本人観光客の増加につながっているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)