安倍晋三首相は24日、麻生太郎財務相と自民党の谷垣禎一幹事長を首相官邸に呼び、熊本地震の災害復旧対策に限定した2016年度補正予算案の編成を指示した。首相はその後の非常災害対策本部で、「(6月1日までの)今国会での成立を期すべく、速やかに提出できるよう、調整を開始してもらいたい。政府の総力を結集し、復旧・復興に取り組みたい」と強調した。

 補正予算案には、住宅の確保、生活再建支援金の支給など、被災者支援に要する経費を計上。また、企業の事業再建や道路などのインフラ復旧、がれき処理などを迅速に進めるため、熊本地震の復旧・復興を目的とした予備費を新たに盛り込む。

 これに関し、麻生氏は記者団に対し、「規模・財源については、余震がまだ続いている段階で、確定していない」と述べた。

 政府は、大型連休明けの5月上旬にも閣議決定し、速やかに国会へ提出。同26日から始まる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)前の成立を目指す。それまでの間は、16年度予算の3500億円の予備費で対応する。