胸のSが意味するものとは……?
バットマンと対決する映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」も話題のDCコミックスのヒーロー、スーパーマンの力を、中国人の少年が受け継ぎ、新たなスーパーマンとなる新シリーズが発表され、その名前と表紙イラストが公開されました。
こちらはDC Comicsの公式サイトに掲載されたもの。
ニューヒーローの名前は「孔克南(Kenan Kong)」。当初は「Kenji Kong」という名前で発表されていましたが、(中国にも存在する名前ですが)日本人っぽいという意見があったため変更したそうです。
克南は上海に住む少年。どうやら彼がパワーを得るきっかけは、DCコミックスの5月から始まる新イベント「Rebirth」でスーパーマンに変化が起こることに関連するようですが、細かいストーリーはまだわかっていません。
真っ赤なコスチュームの胸に輝くの黄金の「S」は一体何を意味するのでしょうか?(Super?Shanghai?Socialism?)、スーパーマンはエイリアンなのに対して、孔克南は人間の中国人なのか?など、気になるポイントはたくさんあります。
なんとなく「キック・アス」や「シビル・ウォー」の原作者であるマーク・ミラーが描いた、もしスーパーマンが赤ん坊のころに墜落したのがソビエト連邦だったら……というパラレルワールドが舞台の「スーパーマン:レッドサン」を思い出しますが、アートの雰囲気から察するに、あれほどダークな物語にはならなそうです。
ちなみに、今回の作品がおなじみのスーパーマンのいる世界(Prime Earth)でのお話なのかどうかも、まだ正式には発表されていない模様。とりあえずスーパーマンことカル・エル=クラーク・ケントのかわりになるというストーリーボードではなさそうですが……。
そんな謎だらけのキャラクターの生みの親であり、克南が主人公の新シリーズ「New Super-Man」をライターとして担当するのは、中国系アメリカ人のジーン・ルエン・ヤン。2006年に発表した、中国系アメリカ人の少年を主人公に描いた「American Born Chinese(アメリカ生まれの中国人)」で有名となり、昨年の「スーパーマン」の連載を担当していた人物です。
最近少しずつ増えてきているとはいえ、アジア系のヒーローがまだまだ少ないアメコミの世界の中で、中国系アメリカ人の作家が「中国人スーパーヒーローが主人公のシリーズ」を描くというのは、コミック業界に大きなインパクトを与え、意義の深い作品になると思います。
一方で、今の中国でヒーロー映画が大ヒットしていることと関連し、中国へのサービス的な作品だと決めてかかった見方をされてしまいそうな気もする作品ですが……何はともあれ読まなければわからないので、読んでから判断するとしましょう。
「New Super-Man #1」はアメリカで2016年7月13日の発売予定で、電子版は現在予約を受け付け中。国内のコミック取扱店でも随時、予約を受け付ける予定です。
© 2016 DC Comics
source: io9 via DC Comics, Comic Book Resourses, Comixology
(傭兵ペンギン)