GLAYの全国ツアー「GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016 "Supernova"」のファイナル公演が、本日4月24日に東京・日本武道館にて開催された。
1月28日の大阪・オリックス劇場公演で開幕したこのツアーは、全国にて30公演を実施。ツアーの最後を飾った4月21日、23日、24日はバンドにとって約4年ぶりの日本武道館ワンマンライブとなった。
TERU(Vo)の「OK、行くぞファイナル!」という叫びで始まった1曲目は「Scoop」。アグレッシヴなサウンドで会場を一気に盛り上げると、たたみかけるように「千ノナイフガ胸ヲ刺ス」を届け熱気をさらに上昇させる。冒頭のMCでTERUは「明日のことなんて考えなくていいんだぞ! 2階席! ガンガンかかってこい! 1階席! とことん愛し合おうぜ!」とオーディエンスを煽るが、その直後にアリーナ席に向かって「1階席!」と呼びかけてしまい、ファンとメンバーは大爆笑。TERUは苦笑いしつつ「ということで、今日はこんな感じで気楽にやりたいと思います(笑)」と自らをフォローしていた。
「汚れなきSEASON」「STARLESS NIGHT」で場内の一体感が高まったあと、TERUの「今戦ってるすべての奴らに、この曲を捧げます」という言葉から「laotour ~震える拳が掴むもの~」へ。TERUは拳を掲げながら迫力ある歌声を響かせた。そして「皆さんの故郷を思い浮かべながら聴いてください」と紹介し、次の曲「カナリヤ」をアコースティックギターを奏でながら歌う。その後も「100万回のKISS」「シキナ」と、温かくも力強いサウンドでオーディエンスを魅了。「everKrack」では場内の空気が一変し、TAKURO(G)とHISASHI(G)のギターサウンドが楽曲の世界を鮮やかに彩った。
TERUはMCで、今回のツアーの幅広い選曲を振り返り「22年目になるけど、長く続けてるといろんな曲をみんなに聴いてもらえて、楽曲たちも幸せだろうし僕たちも幸せです」と語る。そんな言葉に続いて披露されたのは「SORRY LOVE」。ときに繊細に、ときに激しく歌われる切ない歌詞の世界に、観客はじっくりと聴き入る。さらに「Will Be King」「航海」と、オーディエンスの心をつかむ名曲が次々と演奏されていった。
ここでHISASHIが次に披露する曲「デストピア」を紹介する。現在TOKYO MXほかで放送中のアニメ「クロムクロ」のオープニングテーマとして書き下ろしたこの曲について、HISASHIは「どうしてもTERUにエレキギターを弾いてほしかった」と語り、エレキギターを提げたTERUは「意外とできるもんだな、と(笑)」と返す。そして演奏された「デストピア」はHISASHIならではのソリッドなロックチューン。TERU、TAKURO、HISASHIのトリプルギターが曲の持つ空気をさらに盛り上げていた。
本編はいよいよ終盤へ。「百花繚乱」「TILL KINGDOM COME」で再び場内のテンションが上昇し、「GREAT VACATION」の開放感に満ちたサウンドで熱気がピークへと導かれる。TERUはツアーの終幕が近づいてきた心境を「終わってしまう寂しさと、やり遂げた充実感が胸を襲ってます」と語り、本編最後の曲「Supernova Express 2016」を熱唱した。曲が終わるとTERUは「またみんなにお帰りと言ってもらえるような活動を、これからもしていきたいと思います!」と挨拶。メンバーと共に笑顔でステージを降りていった。
アンコールの声に応えて再びメンバーが登場し、最初に演奏した曲は「Life ~遠い空の下で~」。HISASHIが刻むギター、TAKUROとJIROのコーラスがTERUの歌声を優しく支える。そして「みんなの夢が叶いますようにという思いを込めて!」とTERUが叫んで「BEAUTIFUL DREAMER」へ。壮大なメロディラインとアンサンブル、TERUの高らかな歌声に、オーディエンスが一斉に両手を挙げて応えた。
「空が青空であるために」の前には、TERUが今回のライブの一部を急遽ニコニコ生放送で中継した背景を「九州で地震があって、チケットはあるけど会場に来られないという子がたくさんいて。武道館の空気を少しでも届けられたらと思いました」と説明。そして「GLAYとファンのみんなの絆を今より深くして、みんなが何か困っていれば助けてあげるし、僕たちが困ったらみんなが助けてくれる、そんな関係を続けていきたいです」と、ファンとの結びつきに改めて感謝を述べた。
ここでメンバー全員が観客に向けて挨拶。宮崎県出身のサポートメンバー・TOSHI(Dr)は「九州のほうは大変だけど、みんなで一丸となって応援しましょう」と語る。JIRO(B)は今回のツアーでワイヤレスシステムを使用せず、サウンド面の向上を図ったことを明かし「1本1本が勉強になって、やりがいのあるツアーで。20周年を超えて『素晴らしい楽曲をちゃんと演奏するためにやるべきことはたくさんあるんだ』と、そんな気持ちになりました」と熱く話した。
TAKUROは「今回1本も落とすことなく完走しようとしてますけど、皆さんのおかげです。瞳を閉じると思い出が蘇りますよ」とファンに感謝したあと、ツアー各地での各メンバーとの印象深いエピソードや裏話を事細かに語ってオーディエンスを笑わせる。HISASHIのMC中には、彼が作った楽曲「彼女はゾンビ」のミュージックビデオに登場する“ゾンビ子ちゃん”が「私の曲を作ってくれてありがとう。これからもずっとそばにいるから……」と語りかけ、ステージ上から落下してくるという演出で観客を驚かせた。
その直後に披露された「彼女はゾンビ」では、このツアーで恒例の「HISASHIのチャレンジコーナー」を展開。これはCD音源ではギターで演奏される間奏のHISASHIのソロを、ステージ上でのHISASHI本人のくじ引きでギターやピアニカ、ウクレレなどさまざまな楽器に持ち替えて奏でるというもの。この日、ツアーファイナルにふさわしく見事ギターを引き当てたHISASHIは「CDどおりだね! じゃあ、もっとCDどおりにしていい?」と問いかけ、レギュラー番組「RX-72」で共演しこの曲にも参加している茂木淳一を呼び込む。大歓声に迎えられた茂木とHISASHIはCDそのままの掛け合いを披露し、観客を大いに喜ばせた。
ツアーファイナルの最後に披露されたのは「HIGHCOMMUNICATIONS」。JIROとTOSHIが刻むヘヴィなリズムに乗せてオーディエンス全員の拳が上がり、この日一番の一体感に包まれたままライブが終了した。TERUは観客に向けて「またみんなに会えるその日まで、行ってきます!」と挨拶。全観客の「行ってらっしゃい!」の声に送られ、武道館のステージを去っていった。
01. Scoop
02. 千ノナイフガ胸ヲ刺ス
03. 汚れなきSEASON
04. STARLESS NIGHT
05. laotour ~震える拳が掴むもの~
06. カナリヤ
07. 100万回のKISS
08. シキナ
09. everKrack
10. Believe in fate
11. SORRY LOVE
12. Will Be King
13. 航海
14. デストピア
15. 百花繚乱
16. TILL KINGDOM COME
17. GREAT VACATION
18. Supernova Express 2016
<アンコール>
19. Life ~遠い空の下で~
20. BEAUTIFUL DREAMER
21. 空が青空であるために
22. 彼女はゾンビ
23. HIGHCOMMUNICATIONS