熊本地震の影響で休校が続いていた熊本県内の300以上の公立学校のうち、一部の小学校などが25日から授業を再開した。残る多くも週内やゴールデンウイーク(GW)明けの授業再開を見込むが、施設が損壊したり教室が避難所に使われたりしている学校もあり、全面再開の見通しは立っていない。
熊本市教育委員会によると、最初に震度7が観測された地震翌日の15日から、市立の小学校95校、中学42校などが休校を続けている。その他の市町村で25日まで休校が続く公立学校は、県のまとめで小学校103校、中学48校、高校27校など。
比較的被害の小さかった熊本市北部にある市立田底小学校(同市北区)は、25日から授業を再開。施設や通学路の安全が確認でき、体育館に避難していた人も大半が自宅に戻ったため、授業に支障がないと判断した。同区の小中各1校も27日に再開する。
県内では他にも、宇城市などで一部学校が25日から授業を開始。甚大な被害が出た南阿蘇村では、体育館などの避難所を維持したまま、GW明けの5月9日から6校ある小中学校が再開する予定。益城町は同月中の学校再開を目指す。
熊本市教委は残る学校についても、同10日をめどに再開を目指すが、課題は多い。市立龍田西小では擁壁に亀裂が見つかり、土砂崩れの恐れがあるとして避難者1000人が別施設に移動。安全確保まで施設は使えないという。体育館が壊れて使えなかったり、被災者が殺到したりした影響で、教室に被災者を受け入れている学校も多い。