中国メディア・捜狐は21日「日本社会における誠意や信用は、もはや恐怖すら感じる境地にまで達している」とする文章を掲載した。中国人が「恐怖すら感じる」という、日本の信用社会における事象とは一体どのようなものなのだろうか。
文章は、日本式信用社会における「恐怖の境地」について、4つの側面から紹介している。1点目は「誠意や信用に支えられた社会秩序」として、テーマパークなどで設けられている障がい者割引や障がい者専用ゲートについて言及。テーマパーク側が「健常者である市民には、チケット料金をケチろうとして、ちょっと跨げば越えられてしまう障がい者ゲートに行くリスクを冒すような人はいない」と認識しており、ゲートに見張り係を置いていないことを説明した。
2点目は、「誠意や信用に支えられた食品の安全」だ。文章は「日本で寿司や刺身を食べたら腹を壊すのではないか、と心配している中国人よ。もし君が腹を壊したのであれば、おめでとう。君は大金持ちになる」と説明している。日本の食事で不衛生なために腹を壊すというのは非常に確率の低いこと、という意味らしい。
3点目は、「誠意や信用に支えられた戸籍制度」。日本の戸籍管理が「個々の家屋が書かれている地図を広げ、どこに住んでいるかを指せばそれで完了する」レベルの簡単さであると説明。「それでインチキをされたらどうするのか」と尋ねれば、係員は「どうしてインチキしなければいけないのか。そんなことしたら医療保険証明書などの資料が受け取れなくなるのに」と逆に聞き返してくる有様であるとした。文章は「戸籍」としているが、正確に言えば住民登録のことを指しているようだ。そして4点目には「誠意や信用が人生の信条になっている」ということを挙げている。
中国ではまだまだ個人の利益を最優先に考えた行動というのが社会において目立つ。それは個人レベルに留まらず、一部企業や行政にまではびこっている。「正直者が馬鹿を見る」というイメージがなおも払しょくできていないのが現状だ。自分の利益ばかり考えていては、いつまでたっても他人に対する誠意や信用は生まれてこない。「情けは人の為ならず」と言うが、誠意や信用も結局は巡り巡ってわが身に恩恵として戻って来るのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)