被害は、テクノロジーに追いついていない小売業者にて発生している模様です。
ICチップ仕様のクレジットカードは、ヨーロッパやブラジル、そして日本でもすでに一般的なもの。これは取引ごとにユニークなコードを生成することから、偽造が困難であるため、磁気型よりも安全性が高いと考えられています。
一方で、アメリカでは昨年から、スワイプ式の磁気ストライプカードに代わって、EMVとよばれるICチップ仕様クレジットカード対応端末へ移行することを小売業者に求めていました。ちなみにEMVは、Europay、Matercard、Visaの頭文字をとったもの。
移行のデッドラインは昨年10月1日まで。それでも、全ての小売業者が対応できたわけではなかったようです...。
VISAによると、対応を完了させた小売業者のうちトップ5の大手では、新しいEMVシステムへの移行によって詐欺被害が18.3%まで下がったという結果が出ているようです。一方で対応していない小売業者の場合は、VISAだけでも11.4%の詐欺が増加。なんと総額70億ドルもの被害が確認されています。
ICチップ読み取りマシンを採用していない小売業者は、トランザクション時にカードをスワイプする旧式のマシンを未だに利用している状態。これは詐欺加害者にとって、犯行をねらいやすいのだそう。つまりシンプルに、店側が移行を完了すれば、詐欺被害は抑えられるはずなのです。
移行に対応してない店での取引において発生した詐欺被害については、銀行ではなく小売業者側に責任が追及されることになっているようです。いかなる理由があるにせよ、店にとっても詐欺の被害に巻き込まれることが移行の「リマインダー」になったのでは遅いですからねぇ。とりあえずしばらくはアメリカでのクレジットカード利用時の留意点のひとつとして頭の片隅に置いておきますか。
source: USA Today
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)