毎日、当然のように履くパンツ。「教えて!goo」には7歳の子どもからだという「なぜ?パンツ(下着)を履くんですか?」といった素朴な疑問が。これに対しては、「一言で言うなら、『大切な所を守るため』でしょうね」(tent-m8さん)、「ズボンやスカートを汚さないようにするため」(Gletscherさん)、「肌着を付けないと汗の水分が蒸発して残留物が異臭を放つようになります」(6750-saさん)といった回答が投稿された。
一見、「何を当たり前のことを……」と思ってしまうこの質問&回答。しかしながら、元々パンツの役割は上記のどれにも該当しないことをご存じだろうか?
■意外と古い!パンツの歴史
下着の歴史は紀元前3000年頃まで遡る。世界最古の文明と言われるシュメール文明時代の像に描かれた女性が、パンツのようなものを履いているのがそれである。このパンツのようなものは、腰布の端を固定しようとする試みから生まれたと考えられているようだ。
■日本人が初めてパンツを履いたのは明治初期
では、日本ではどうだったのだろうか? 日本人女性が初めて洋装下着を身に着けたのは明治4年。欧米諸国視察のため岩倉具視に同行した津田梅子(8歳)ら5人の女子留学生だったと言われている。
■じゃあどうやって普及したの?
女性がズロースを履くきっかけとなった事件として有名なのが、昭和7年に起きた日本橋の百貨店・白木屋の火災。避難の時、上昇気流になった熱風にあおられ、脚の付け根が丸見えになるほど着物の裾がめくれてしまった。恥ずかしさのあまり着物の裾を押さえようとした女性数名がロープから手を離し、命を落としてしまったとか……。このことから、「普段から下着をつけるべきだ」という声が広まっていったと言われている。
パンツの始まりは古いが、その後は長い時間をかけ、発展と衰退を繰り返しながら一般にも普及し、現在の形となっていった。時代とともに、その役割が微妙に変化しているのも興味深い。ということは、そのうちまたノーパンが定番となる時代も来るのかも……!?
参考文献:『下着の文化史』青木英夫、『日本洋装下着の歴史』日本ボディファッション協会
(酒井理恵)
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)