中国では時おり、日本では到底信じられないような事件や事故が起きる。食品の分野でも、これまでに廃棄されて排水溝に溜まった油を精製した「下水油」や、人の髪の毛を精製した「人毛醤油」などが大きな問題となった。
また、メラミンという物質が混入していた粉ミルクを飲んだ乳幼児が重篤な病気を発症する事件が発生したことは記憶に新しい。これは大きな社会問題へと発展し、中国の母親たちが中国製品は信頼できないとして、国外で乳幼児製品を買い求めるきっかけになった。
日本でも産地偽装などの問題は発生するが、それでも中国ほど深刻な問題は起きていない。中国メディアの捜狐はこのほど、日本人はなぜ悪徳商品を売らないのかと題する記事を掲載、中国で見られるような製品が日本にない理由を考察した。
記事は、日本は「極致や完壁さを求める国」としたうえで、製品の品質、生活の質、大気の質、衛生環境などにおいても同様であると主張。さらに、日本の社会は信頼によって成り立っているとしたうえで、産地偽装などの問題を起こし、信頼を失ってしまうと企業は大きな代償を支払うことになると指摘し、こうした社会であるために日本では偽装問題などが起きづらいのだと論じた。
続けて、日本人の民度は「ほぼ極致の水準」であるとし、日本人同士の関係は中国人から見て「不思議なほど誠実」であると主張。野菜の無人販売所では誰も野菜やお金を盗まず、無人ガソリンスタンドでもガソリンを入れ逃げする人はいないと指摘。また、日本では誰も偽札を使用しないため、紙幣の識別装置も不要だと伝えており、こうした社会環境と日本人の民度の高さゆえに、日本では誰も悪徳商品を販売しないのだと分析している。
記事が指摘したとおり、日本で下水油や人毛醤油を製造して販売したとすれば、手にする利益を遥かに上回る代償を支払うことになるだろう。だが、日本人が下水油や人毛醤油を販売しないのは代償を恐れているからではなく、やはり民度が鍵なのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)