【ワシントン時事】ルー米財務長官は20日、新20ドル札に奴隷解放運動家の黒人女性、ハリエット・タブマンの肖像を採用すると発表した。欧米メディアによると、米紙幣に黒人の肖像が採用されるのは初めて。女性は「1世紀余ぶり」(長官)で、マイノリティー(少数派)重視を掲げるオバマ大統領のレガシー(遺産)づくりとの見方もある。

 自身も奴隷だったタブマンは、1800年代半ばに地下運動で多数の奴隷を逃亡させて自由の身にしたほか、女性の参政権獲得にも尽力。ルー長官は「米国の価値観や民主主義を体現した」とたたえた。新紙幣は2020年に最終デザインを公表する予定。

 10、5ドル札も刷新する。10ドル札には女性参政権獲得の指導者ら5人の女性、5ドル札には公民権運動家マーティン・ルーサー・キング牧師やフランクリン・ルーズベルト元大統領の妻、エレノア・ルーズベルトらが描かれる。