外国人が日本人に抱く印象のうち、「日本人はお辞儀ばかりしている」というものがある。日本人のお辞儀には「挨拶」としてのお辞儀もあれば、「謝罪」としてのお辞儀もある。お辞儀の意味が曖昧であるように、「すみません」という言葉も曖昧だと言える。
「すみません」という言葉は本来は謝罪の意味だが、「ありがとう」という意味で「すみません」という言葉を使用している人も多いはずだ。日本人は中国人に比べて、「すみません」という言葉を使用する機会も、耳にする機会も多いだろう。なぜなら、中国人はまず謝らないからだ。
中国メディアの今日頭条はこのほど、日本で中国語を教えているという中国人の手記として、「日本人の生徒に、なぜ中国人は謝らないのかと尋ねられた」という記事を掲載した。
記事は、日本であれば謝ることが普通の事態であっても、中国では「誰も気にしない小さなこと」として、誰もが謝罪の言葉を口にしないと指摘。中国人にとって「対不起(すみません)」と口にすることは「非常に深刻な事態」に見えるものであることを指摘し、中国人も深刻な事態であれば当然謝るが、小さなことではいちいち謝らないと紹介した。
一方、日本人は平素から謝罪や感謝の言葉を口にするが、「責任重大な大事」であればあるほど責任と言葉を曖昧にする傾向があると指摘。これは日本人にとっては耳が痛いところだが、確かに一理あると言える。立場が上になればなるほど、責任を取らない政治家や経営者は確かに多い。
日本人にとって「すみません」という言葉は日常的に使う軽い意味の言葉であるのに対し、中国では深刻な事態において使用する、重い意味を持つ言葉なのだ。また、日本人と中国人の言葉の意味合いの違いは「すみません」だけではなく、「ありがとう」も同様だ。親しき仲にも礼儀ありと考える日本人に対し、中国人は親しければ親しいほど「ありがとう」という言葉は使わない。中国人にとって、ありがとうという言葉は「他人行儀」なものであり、よそよそしいものなのだ。これだけでも日本人と中国人には国民性に大きな違いがあることが分かるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)