ビートたけしの震災空き巣「射殺しろ」発言に堀江貴文氏が噛み付くも、「自分棚上げ」と非難......天才だけに見てる側は残念? | ニコニコニュース

「AC photo」より
Business Journal

 ここ数日、実業家の堀江貴文氏界隈の発言がとにかく世間で話題だ。主に熊本地震発生時からといえるが……。

 堀江氏は、自身のTwitterで、出演予定だったネットでの麻雀番組が放送自粛をしたことに対し「熊本の地震への粛々とすべきだが、バラエティ番組の放送延期は全く関係ない馬鹿げた行為」「アホな放送局」とツイート。この発言に対し、教育評論家の尾木直樹氏が「(自粛は)あまりにも当然!人として豊かな心遣いではないでしょうか」「鈍重」と暗に批判し、その後もダウンタウンの松本人志や武田鉄矢が『ワイドナショー』(フジテレビ系)で「この人の言葉にはいつも心がない」「身も蓋もない言い方をする。人間には気持ちというものがある」と苦言を呈した。

 最近ではネット上での著名人との「ケンカ」で取りざたされることが多い堀江氏。最近でも東国原英夫氏と大ゲンカしたことが話題を呼んだが、本人の著書である「本音で生きる」(ソフトバンク新書)のタイトルを地でいく生き方ということだろう。松本の発言に対しても「当たり障りのない言い方で伝わればいいんだけどね。それだと伝わんないんだよね。(中略)多くの人が思ってても言えないことを端的に言ってるだけなんだけどな」と反論してみせた。

 さらに、24日放送の『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で、ビートたけしが熊本地震において発生している空き巣に対し「アイツら射殺しろよ」と発言。これに対し堀江氏は「被災地での空き巣は人間として最低の行為であるのは完全に同意」とした上で「『射殺しろ』と社会的影響力がある人がいうのは問題がある」とし「窃盗罪の処罰の最大限を適用しろって言うのは良いけどね。こういう感情論が厳罰化を推進し行き詰まる社会を作っていく」と、たけしの発言を問題視した。

 しかし、今回のたけしの発言は、それこそ堀江氏の語った「多くの人が思ってても言えないことを端的に言ってるだけ」であるような気がしたのも事実。実際被災地での空き巣などはとても許されることではなく、多くの人が似た感情を抱いているはずだ。

 これまでSNS上で個人に対し「バカ」「アホ」など様々な発言をしてきた堀江氏としては意外な回答と筆者には思えた。見る側の解釈で「比喩」だと理解することもできるだろうし、それがビートたけしのキャラクターでもあると思うのだが。正論で言い返す必要があるほどのことかとは思ってしまった。

 堀江氏は基本的に「感情論が嫌い」とのこと。確かにビジネスやテクノロジーなどに関する知識や見識、考え方の深さなどは凄まじい。常に物事を冷静に見つめていなければ次々とアイデアが出てくることもないだろうし、多くの賛同者を得ることもできないだろう。筆者も堀江氏の生き方を参考にしているし、魅力的な人物であるとは思う。

 しかし、今回のたけしに対する反論はさすがに自身を「棚上げ」しすぎのように感じてしまった。ネット上でも「そもそもホリエモンは世間の代弁者ではなく特別な人物。影響力あるのは一緒」「自分の今までの発言のほうが問題」「説得力が……」と同意は得られていない模様。経済ニュース関連のコメント欄などでは堀江氏の「正論」に「冷静で心に染みる」という声もあるようだが……。彼のビジネス視点や才覚が尊敬を集めるのは当然だが、この件に関しては盲目的な賛辞も多いように感じた。

 宇宙事業やネット、ライフサイエンスなど、堀江氏の取り組みに関しては多くの人が支持しているし、「やはりすごい」と認めているのは間違いない。だからこそ、こんな形で「炎上芸人」などと叩かれる姿を見たくない人も多いはずだ。どうしても目立ってしまう存在だけに「本音で生きる」のもなかなか大変ということか。
(文=odakyou)