皆さんの中には奨学金を受けて大学に通っている方もいらっしゃるでしょう。日本学生支援機構の「平成26年度 学生生活調査結果」によれば、国立大学で「49.4%」、公立大学で「56.6%」、私立大学で「51.4%」の人が奨学金を受給しています。では、アメリカでの奨学金事情はどうなっているのでしょうか?
■アメリカの奨学金は多種多様にある!
「scholarship(スカラーシップ)」は日本では「奨学金」と訳されますが、現在日本でいう奨学金はほとんどの場合「loan(ローン)」であって、返済義務を要し、低金利となってはいますが、金融機関で借りる住宅ローンと変わりません。アメリカで「scholarship」といえば、普通返済義務はありません。また、継続して支払われるのではない一時金として支給される援助については、一般的に「grant(グラント:給付金)」と呼ばれます。
どこからその奨学金・給付金が提供されるかで、
・federal(連邦政府が提供する奨学金・給付金)
⇒データ出典:『The National Center for Education Statistics』
例えば、連邦政府の提供するFAFSA(The Free Application for Federal Student Aid)はニーズベースの最も一般的な支援制度ですし、私立大学の提供する支援制度などはメリットベースのものとされたりします。
ただし、返済義務なしの奨学金・給付金を受けるためには、非常に優秀な成績を収める必要があります。GPAで3.5以上の人のリストのことを「Dean's List」といいますが、そこに掲載されるほど優秀でなければそのような奨学金・給付金を獲得することはできません。そのため、実際にこれらの援助を受けるのは非常に狭き門なのです。
※GPAとはGrade Point Averageの略で、欧米で導入されている成績評価のシステム。各科目がA・B・C・D・Fで評価されます。オールAですと「4.0」になりますから、3.5というのがいかに高いハードルなのかが分かりますね。
■アメリカの大学生の約7割は何らかの支援を受けている!
それによりますと、
※このUS Totalにはプエルトリコ自治連邦区を含みます(excluding Puerto Rico)。
アメリカの大学は日本よりも授業料が高いといわれ、特に私立名門の総合大学となると年間日本円で500-600万円といった高額な費用が掛かることも珍しくありません。このような大学に通うとなると、やはり何らかの援助がなければ教育費を家庭で負担することは難しいのでしょう。
⇒データ出典:『The National Center for Education Statistics』の「Trends in Undergraduate Nonfederal Grant and Scholarship Aid by Demographic and Enrollment Characteristics」