オーストラリア(豪州)政府は27日、次期潜水艦の共同開発先にフランスのDCNS社を選んだことを発表した。日本は受注の可能性が高いと見られていたが、受注を逃した理由は何なのだろうか。
中国メディアの観察者はこのほど、ここ2年ほど、豪州の次期潜水艦をめぐる報道で、もっとも受注の可能性が高いとされていたのは日本のそうりゅう型潜水艦であったとし、豪州がフランスのDCNSを選んだのは「多少なりとも驚いた」と伝えている。
また、中国国内では豪州がそうりゅう型潜水艦を選ばなかったのは、中国との関係を考慮したためとの見方があるが、中国メディアの新浪は豪州メディアが「中国の勝利でも何でもない」とし、「中国はそうりゅう型潜水艦の失注を喜ぶな」と報じたことを伝えている。
新浪は、日本は豪州の決定に対して「明らかに失望している」と伝える一方、豪州国内では、そうりゅう型潜水艦の導入という日本との取引が「対日関係」や、「日本との貿易協力」に影響ができるのではないかという声があったと紹介。さらには日本から潜水艦を購入することで、「豪州も日中のエスカレートしつつある関係に巻き込まれるのではないか」と懸念もあったと伝えた。
さらに、中国国内では豪州の決定について、「中国の圧力が日本拒絶につながった」と喜ぶ声があるとする一方、豪州メディアが「どの国から潜水艦を購入しようと、その意図は実力と自信を高め続ける対中国を視野に入れた長期的な戦略に基づくもの」と指摘。潜水艦は軍事力を高めるものであり、豪州に最先端の潜水艦が導入されることは中国政府にとっては「決して喜ばしいことではないはずだ」と報じたことを伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)