イラストの価値が低すぎる問題 アイコン画像を依頼されて料金説明したら逆ギレされた人も | ニコニコニュース

キャリコネ

自分のブログやウェブサイトなどを作成するときに、画面に華を添えようとイラストを使用する人もいるだろう。最近はフリー素材サイトで手に入れることも可能だが、やはりイラストレーターに依頼すれば相応の対価は必要となる。

しかし、イラストの価値を安く捉えている人もいるようだ。4月中旬に、あるツイッターユーザーがイラストを描いてくれるように頼んだところ、相手から料金を請求されて憤るツイートを投稿している。

「料金かかるならbio(プロフィール)に記載しろよ。イラストレーターの屑がこの野郎・・・」

香港人イラストレーター困惑「日本語は本当に難しいですね」

投稿者はツイッターにイラストレーターとのやりとりのキャプチャを掲載している。それによれば、アイコン画像の依頼をした結果、先方からは「アイコンサイズなら1100円からです」「お支払いはペイパルでお願いしたいです」と返事がきた。これが許せなかったらしい。

一方で、仕事を受けた香港人のイラストレーターは25日に、

「ちゃんと(プロフィールに)『お仕事募集中』書いているですが、それは無料の意味ですか、日本語は本当に難しいですね、すみませんでした」

投稿。無償ではなく、ちゃんと仕事だと明示していたわけだ。この投稿は3000件を超すリツイートがされ、イラストレーターに対し「何も間違っていませんよ」「気にしなくて良いですよ」と励ましのメッセージが寄せられた。

「リクエスト募集中なら、まだしも仕事募集中と書いてあるから問題ないですよ!」
「お仕事と書いてあれば基本的にはお金が発生するものと普通は解釈するものです」
「これは圧倒的に相手がおかしいですよ気にしないでください!」

クリエイターの半数がクライアントとトラブルを経験

また、中には日本でイラストレーターが置かれている状況について指摘する投稿もあった。

「悲しいことに日本ではイラストレーターの方が軽く見られてしまう傾向にあります。が相手方が悪いのでお気に入りなさらず」

実際、日本ではプロのイラストレーターであっても食べていくのが厳しい状況にあるようだ。求人・転職情報サイトのはたらいくの「2014~2015 職種別平均年収・月収100職種徹底調査」を見てみると、「イラストレーター・アニメーター」の年収は261万円で100職種中84位だ。

また、2013年に日本イラストレーション協会が公表した「クリエーター実態調査」を見てみると、アンケートに回答した270人中137人がクライアントとのトラブルを経験。トラブルの内容(複数回答)で最も多かったのは、「契約内容以上の作業要請」(43.7%)だが、「制作代金の支払い遅延」(38.6%)、「制作代金の値下げ強要」(34.3%)、「制作代金の不払い」(20.4%)といった金銭面の問題も多い。

トップレベルでも「1年に2、3回は給料0円」

実際、トップレベルのイラストレーターでも悩みは尽きないようだ。ゲームのメインキャラクターのデザインを担当したり、画集も販売しているフリーのイラストレーターのあきまん氏は、2015年1月に、

「イラストレーターがどう生きたらいいのか?その答えは俺にもまだわからない。去年からは自分をより高く買ってくれるクライアントさんを頼ってる。低いところで実績を出したら優遇されるかなと思ったけどそんな事もなかった」

と投稿している。あきまん氏は2013年に自身の年収を「1000万円あたりです」と明かしているが、経費を抜くと年収は500万円程度。また、毎月一定の収入があるというわけでもない。2015年2月には、「まあ1年に2、3回は給料0円なんですよ」と投稿している。

イラストレーターは、好きなことをやっている分給料が低くて当たり前と考える人もいるかもしれないが、現状は一握りのトップが余裕を持って生活できるレベルだ。国はコンテンツ産業に注力しようとしているが、まずは適正な報酬が支払われる体制を整える必要があるだろう。

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