現職の参議院議員であり、表現の自由を訴える山田太郎議員の公認BL同人誌がコミケで頒布されていたことがわかった。それに対し山田議員が「立場上、止めるわけにいかない」と発言したため、いろいろな場で大きな話題となっている。
以前から児童ポルノ法改定による二次元規制強化への反対を掲げていた山田太郎参議院議員。おたぽるでもお伝えしてきたとおり、過去にコミックマーケットで街頭演説をし「表現の自由」を訴えたり、コミケに売り子として参加するなどの活動を行ってきた。そんな山田議員に対し、7月6日、とあるTwitterユーザーが「山田太郎議員をモブ男がハメるホモ同人誌が出回っても山田太郎議員は表現規制反対を言い続けるのか試してみたいね」とツイート。
すると山田議員が所属している政治団体「日本を元気にする会」を応援する「日本を元気にする会を元気にするアカウント」(非公式/@tAtEJ128)が、「実は前回のコミケで山田太郎参議院議員と秘書の坂井氏のBL小説が発売されました」とツイート。さらに「これは山田議員の許可を得てのものです。山田議員にとっては苦渋の決断でしたが、それでも表現の自由を守りました」と、すでにBL小説が出回っていたこと、そしてなんとすでに許可を出していたことを明かした。
さらに7月9日にはTwitterの一般ユーザーから「山田太郎この間秋葉原で演説してたけど、『私と秘書のBL同人誌を書かれてしまって、表現の自由を訴えるものとして止めるわけにはいかないけど自分では読みたくないですね』って言ってて笑った」という報告もある。
これにネットでは「描いた人グッジョブ!」「これは立場的に公認せざるを得ないだろな。けど、苦渋の決断とかwww」「そこで『それ以来、お互いに意識してしまって困っていますから』ぐらい言ったら、もっと票があつま……らないか」「買わなくていいです! とまで言ってたらしいぞ(爆)本音ではよっぽど嫌だったんだろうな」と盛り上がりを見せている。中には「この発言、ヴォルテールの『私はあなたの書いたものは嫌いだが、私の命を与えてもあなたが書き続けられるようにしたい』って言葉にそっくりだなwww」と、フランスの哲学者の名言と酷似していると指摘する声までが上がっている。
山田議員のBL小説を書いた作者のTwitterから、発売されたのは2015年8月の夏コミということが分かる。ツイートには「山田×坂井BL小説 哀しみのヒュアキントス」というタイトルらしいものが明記され、「日本を元気にする会の山田太郎議員と坂井秘書のカップリングです。おときた都議も出てきます。シリアス、全年齢向け」と説明されていおり、ネットでは「めちゃロマンチックなタイトルw」「なんでギリシャ神話だよ」とツッコミの声も。
『哀しみのヒュアキントス』の内容は定かではないが、ヒュアキントスとはギリシャ神話に登場する美少年のこと。恋多きアポロン神と同性ながら相思相愛になり、ヒュアキントスに好意を寄せる風の神ゼピュロス(こちらも男)に嫉妬されてしまう。あるときアポロンとヒュアキントスが円盤投げをして遊んでいたところ、嫉妬にかられたゼピュロスがアポロンの飛ばした円盤を風の力で動かし、ヒュアキントスの額にぶつけて殺してしまう……という物語だ。
山田議員と坂井秘書がアポロンとヒュアキントス、おときた都議がゼピュロスになぞらえて描かれているのだろうか。なお、苦渋の決断を見せてくれた山田議員だが、今回の参議院議員選挙の方はというと、約29万票という大票数を獲得しながらも落選してしまった。『哀しみのヒュアキントス』でも読んで、次なる展開に向けて英気を養ってほしいものだ。