生前退位、海外でも例=「王冠懸けた恋」の英国―ローマ法王は600年ぶり | ニコニコニュース

 天皇陛下が生前に退位する意向を示されたことは、各国でも注目を集めている。海外の王室では、在位64年を迎えたエリザベス英女王(90)のように長く君臨する君主がいる一方、高齢や健康のほか、外国人女性と結婚するため生前に退位した例もある。

 英国で国王が退位したのは、現女王の伯父であるエドワード8世が1936年、在位わずか11カ月で退位し、弟のジョージ6世に王位を譲った例が知られる。エドワード8世の退位は、2度の離婚歴がある米国人女性と結婚するためで、「王冠を懸けた恋」と呼ばれた。当時は国王の自由意思による退位を規定した法律がなく、「1936年国王陛下退位宣言法」が制定された。

 スペインでは2014年6月、前国王フアン・カルロス1世が生前退位し、皇太子だった現国王フェリペ6世に王位を引き継いだ。王室は当時、次女のクリスティーナ王女の夫をめぐる公金横領疑惑などの醜聞に見舞われ、深刻な権威失墜が懸念されていた。生前の王位継承に関する規定がなかったことから、政府は退位発表からわずか2週間ほどで関連法を成立させた。

 オランダでは、33年間在位したベアトリックス前女王が13年、高齢を理由に退位を表明。長男のアレキサンダー皇太子が同年4月に国王に即位した。オランダの国家元首は、ベアトリックス前女王まで3代女王が続き、いずれも存命中に退位。123年ぶりに男性国王が即位した。

 ベルギーでも13年、アルベール2世前国王が高齢や健康上の理由から退位し、長男のフィリップ皇太子が同年7月に即位した。同国での生前退位は1951年以来、2度目だった。