朝日新聞(7月10日付)の投書欄に寄せられたベトナムの留学生の投稿「日本人の幸福って何なの?」が話題だ。日本人の疲れた顔やあまり笑わない姿を見て、「経済的な豊かさは幸福につながるとは限らない」と感じたという内容が、ネット上でも注目を集め、議論となっているのだ。
注目されたきっかけは、あるTwitterユーザーがこの記事を写した画像を添付し、「日本人は何のために頑張っているのだろう(哲学)」とツイートしたこと。この投稿は瞬く間に拡散し、同ツイートのリツイート数は13日時点で4万7000を突破。その数字から、いかにこの記事が衝撃的だったかがうかがえる。
記事によると、この留学生は来日当初まで、「日本は立派な偉大な国」であると思い、その発展ぶりや豊かさを見て、故郷であるベトナムとの間に大きな差を感じていた。そのため、当然のように「日本人は幸せだと感じている」と思っていた。だが、来日から10カ月後、そうではないと気づいたのだという。
彼女の目に映ったのは、電車内では睡眠不足で疲れ切った顔を見せ、それ以外のときでも、あまり笑わずに何かを心配している日本人。「日本人は何のために頑張っているのか。幸福とは何なのか。日本人自身で答えを探した方がいい」と締めくくられる。
Twitterでは、
「すっごいすっごい考えさせられる・・答えがないのだけれど」
と、的確な考察に衝撃を受けるユーザーの様子が伝わってくる。また、
「留学生の方が日本を解ってるよ、大丈夫かよ社畜のみんな、現実見てくれ」
と、働く日本人の現状を憂いたり、日本特有の慣習に改めて疑問を投げかける声もあった
多くの日本人が共感した、ベトナム人留学生の投書。日本人それぞれが“心の豊かさ”を見つける必要があるのかもしれない。
※当記事は2016年07月14日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。