クーデター失敗=軍反乱部隊が決起、死者260人以上―政府、鎮圧へ全力・トルコ | ニコニコニュース

エルドアン大統領に不満を抱く国軍内の勢力が大統領失脚を目指し、クーデターを試みたが、トルコ軍の参謀総長代行は16日、「クーデターは失敗した」と宣言。写真は反乱部隊制圧で国旗を掲げる人々。【AFP=時事】
時事通信社

 【カイロ時事】トルコで15日から16日にかけ、エルドアン大統領に不満を抱く国軍内の勢力が大統領失脚を目指し、クーデターを試みたが、トルコ軍の参謀総長代行は16日、「クーデターは失敗した」と宣言した。トルコ軍は、クーデター参加者104人を殺害したと明らかにした。首都アンカラや最大都市イスタンブールではクーデターを阻もうとした市民との衝突などが相次ぎ、ユルドゥルム首相によると、クーデター参加者とは別に161人が死亡し、1440人が負傷した。

 トルコを覆う不穏な空気はまだ完全に消えておらず、トルコ政府は新たな政権転覆の動きへの警戒を強めている。エルドアン大統領は16日、ツイッターを通じ国民に対し「(家に戻らず)何があろうと今夜は通りにとどまるべきだ。いつ何時、新たな炎が燃え上がるとも限らない」と訴えた。

 クーデターに同調したのは軍内の一部にとどまった。反乱分子に拘束されていた軍参謀総長は16日、治安部隊に救出された。クーデターに絡み、全土で軍人2800人以上が逮捕されている。アナトリア通信は、軍本部にいた多数の軍人が武装解除の上、投降したと伝えた。

 しかし、ロイター通信によると、「自国の平和運動」を名乗る反乱分子は電子メールを通じ、今後も戦いを継続する姿勢を強調。北西部ギョルジュクの海軍基地では、反乱分子がフリゲート艦に立てこもり、艦長を人質に取ったという。政府は反乱の完全鎮圧に向け、全力を挙げる方針だ。