テケテケとは、下半身が欠損した姿で描写される亡霊、もしくは妖怪の呼び名、またはそれにまつわる話の題名である。両腕を使い移動する際に「テケテケ」という音がするため、この名で呼ばれるとされている。
「噂話」「怪談」「都市伝説」として語られており、いくつかのバリエーションが存在する。また、カシマさんと同一視されることもある。
目次
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冬の北海道室蘭の踏み切りで女子高生が列車に撥ねられ、上半身と下半身とに切断されたが、あまりの寒さに切断部分が凍結し、しばらくの間、生きていたという。
この話を聞いた人の所には3日以内に下半身の無い女性の霊が現れる。逃げても、時速100-150キロの高速で追いかけてくるので、追い払う呪文を言えないと恐ろしい目にあうという。またその異様なスピードと動きとは裏腹に、顔は童顔でかわいらしい笑顔を浮かべながら追いかけてくるためその恐ろしさをさらに助長するという。
多くの場合「女性」とされるが、稀に男性で描写されることもある。
遺体の下半身だけが見つからなかったため、自分の足を捜しているとのこと。
北国で、女性が線路に落下し、電車に轢かれて上半身と下半身に切断されたが、余りの寒さによって血管の先が凍り付いて止血され、暫くの間苦しみながら周りへ助けを求めたものの、駅員の判断によってブルーシートをかけられ、女性はその後しばらくして死んだ、という話もある。この話の場合、自分を見捨てた人間を恨んでいるため、足探しではなく、人間の殺戮自体を目的としている。
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「テケテケ」のストーリーは大きく二つのパートに分かれる。
- テケテケが亡霊となった理由
- その逸話を聞いた者に対するサプライズ
まず逸話を紹介し、恐怖心を煽った後に、「この話を聞いた者のところにも現れる」と付け加えることで、さらに恐怖心を増幅するためである。
出血の停止・胴体の切断編集
- 「テケテケ」の因縁に「あまりの寒さに血管が収縮してしまい、出血が止まった」とあるが[1]、現実には「冬の北海道」の寒さ程度ではそのようなことは起こらないとされている。
- 氷点下数百度で急激に冷却しない限り、人間の体温下では血管を止血するまで収縮させる・もしくは入り口部分の血液を凍結させることはできない。
- 電車に撥ねられた場合、上半身と下半身に切断されることはほとんどなく、電車が徐行運転であっても人間の体がその衝撃を受けると、全身打撲による粉砕骨折、内臓破裂及び脳挫傷になり、速度が出ている場合では細かな肉片となって飛び散ってしまう。仮に即死しなかったとしても意識があることはまずない。
同じエピソードの都市伝説編集
- 童謡の「サッちゃん」に4番があるという都市伝説も、エピソードが同じで、北海道室蘭で女子中学生の桐谷佐知子(14歳)が、下校途中に通学路の途中にある踏切の線路の溝に足がはまって、くじいて動けなくなり、そのまま人身事故に遭って、胴体を真っ二つに轢かれて死亡したもの。その際も寒さで露出した内蔵や血管が収縮して一時的に出血が停止し、数分間激痛に悶え苦しみながら、自分の下半身を探しながら息絶えたという。そして、その事故を面白がった男子生徒が「サッちゃん」の4番を作り、周りに言いふらすと、男子生徒が足なし死体で見つかったという。このように、「サッちゃん」とテケテケは共通した都市伝説が用いられている。
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多くの語り手によって解釈がなされるため、組み込まれる話の筋、意図によって、構成要素が変化する。以下にその例を挙げる。
- 事故現場
- 冬の北海道の踏み切り
- 北海道の駅
- 北国の駅
- 事故の被害者
- 女子高生
- サラリーマン風の男性
- OL
- 女子中学生
- 電車の運転士・車掌
- 事故原因
- 過失による事故
- 自殺
- 死亡までの時間
- 数分
- 数十分
- 30分
- 亡霊の欠損部位
- 下腹部から下
- 両肢
- 亡霊の歩行
- 両手を使い歩行
- 両肘で匍匐前進
- 出現
- 夢の中で追われる
- 寝室に現れる
- 下校・帰宅途中に追われる
- テケテケの話を信じない人の所に
- 放課後の校庭にいると、校舎の窓から降りてくる
- 呪文
- 「地獄に帰れ」
- 呪文はない(必ず恐ろしい目にあう)
- 呪文を唱えないと
- 足を切断される
- 何もおきない
- 地獄または別世界へ引きずり込まれる
- 死ぬ(腰を切断される)
- 死ぬ(首、手首、足首を切断される)
- 死ぬ(殺される)
- 亡霊の呼び名
- てけてけ
- シャカシャカ
- パタパタ
- コトコト
- ひじかけババア
- ひじ子さん
- カタカタ
- カシマさん
ただし下半身切断の重傷を運転士が負う事故は実際に起こっており、北海道旅客鉄道では事故の原因となった欠陥のあったJR北海道キハ130形気動車を引退させた。
- ^ 松山ひろし 『3本足のリカちゃん人形―真夜中の都市伝説』 イースト・プレス、2003年、14-18頁。