実験的ブラウザプロジェクトServoに取り組むチームが、そのnightlyビルド公開を発表した。
Servoはこれまで、ソースをダウンロードしてコンパイルできる開発者しか使えなかった。nightlyビルドによって利用者が広がり(download.servo.orgから入手可能)、ブラウザのWeb互換性とパフォーマンスが大きく改善されることをチームは期待している。今のところ、Mac OS XとLinux向けビルドが利用可能になっており、WindowsとAndroid向けビルドの問題は解決されつつある。nightlyビルドはまだ非常にラフな段階だ。
この新しいブラウザは何年もかけて開発されてきた。デバイスのハードウェアをもっと活用できる並列化された新しいブラウザエンジンの構築を目指して、スクラッチから開発されたものだ。既存のブラウザエンジンは大部分が、1つのWebページを単一のフローで組み立てている。ブラウザの負荷を別スレッドにオフロードするためにWeb Workersなどが作られたが、その厄介な仕事の責任は、Webページの開発者に委ねられている。
ServoはWebページレンダリング時の大量の並行作業を改善してくれるはずだ。
Servoの将来はよくわからない。Hacker Newsの質問に対し、ServoのエンジニアManish Goregaokar氏が言ったのは、その時にならないとわからないということだ。
新しいアイデア(WebRenderのような)のテストベッドとしてServoを進化させ続けて、準備ができたらFirefoxとコンポーネントを共有する、というのが計画だと思います。近い将来、独立したServoプロダクトが登場する可能性は低いでしょう。完全にWeb互換にするためには、たくさんの作業があるためです。遠い将来は...、まあ、わかりませんね :)
Servoの一部はFirefoxになるかもしれない。例えば、ServoのスタイルエンジンStyloは、今年後半に一部がGeckoのnightlyビルドに統合されるぐらいまで進んでいる。これはMozillaが「Oxidation」と呼ぶプロセスの一部だ(RustコードのFirefoxへの統合のために名付けられた)。Servoは別のMozilla Researchプロジェクト、Rustで書かれている。
MozillaはServoについて紹介する動画を公開し、その動機とページ内並列化について詳しく語っている。