ディズニーランドで迷っていたら、
「お客様がお好みのアトラクションなら、あちらでお楽しみいただけますよ」
と、ロボットに案内されたり、販売店に入ったら、
「お客様の好きな『カーズ』のミニカーがお勧めですよ」
と店員に勧められるなど、こちらの要望が先回りされるようになるかもしれない。
なぜなら、ディズニーランドに一歩入ったときから、あなたの行動は密かにトラッキングされ、指向性などがデータベース化され分析されるからだ。
ディズニーには、そんな企みがあるようなのだ。
知らない間にスキャンされトラッキングされる
Disney Enterprisesは、テーマパークに来園した客の足元を、密かにスキャンして、履いているズボンや靴の特徴と顧客データをデータベースに取り込み、テーマパーク内での行動をトラッキングする技術の特許を取得した。
特許では、この技術は客ごとに最適化されたサービスの提供に利用するという。
来園者は、まずチケットブースや入場口などで足元をスキャンされる。そのとき、客の足元の特徴である、履いているズボンや靴の柄などの組み合わせが特定される。
そして、園内を巡回するロボットが、全ての客の足元を撮影しながら、客のデータベースに行動を追跡した結果が蓄積される。
また、客の行動は、園内を巡回するロボット以外にも、販売店のレジの足元に設置されたカメラ、あるいはアトラクションの入り口に設置されたカメラで撮影される。
そうして客ごとの指向性などを分析するのだ。
例えば、その客はどのような種類のアトラクションに行く傾向があるか、どの程度の待ち時間を過ごしていたか、どんなものを購入したかなどが把握される。
そして、この客が喜ぶ可能性が高いサービスは何かを分析し、最適なサービスを提供するというのだ。
あなたの欲求は、見透かされるようになる
一方、ディズニーランドではすでに、「マジックバンド」というトラッキングシステムを導入しているが、「マジックバンド」を利用するかどうかは客側の判断に委ねられている。そのため、全ての来場者を追跡することはできない。
しかし、今回特許を取得した方法であれば、全ての客をトラッキング対象とする事が可能になる。
また、これまでも顔認証によってトラッキングするというアイデアがあったが、もともと人の顔の差異を捉えることは難しく、また表情が変わったりサングラスを掛けたりする顔の認証の精度を上げることは難しい。
ところがディズニーが特許を取得した靴やズボンの組み合わせの特徴は、少なくとも靴を履き替えたりしないその日のうちの利用であれば、個人を特定する事が容易で精度も高い。
つまり、客の行動をトラッキングするにはかなり上手いアイデアだと言えそうだ。
ディズニーランドのようなエンターテインメントを提供する施設で、客ごとに最適化された体験やサービスを提供できるということは、より多くのお金を使ってもらうためには非常に重要な販売促進戦略となるはずだ。
もし、ディズニーランドで、「なんだか、すごく気が利くようになったなぁ」と思ったら、すでにあなたの行動や施行性は、ディズニーに見透かされているのだと思った方が良いかもしれない。
【参考】
※ United States Patent and Trademark Office
※ Disney patents system to recognize Magic Kingdom visitors by their footwear | Daily Mail Online