天命の粘土板
或る怪鳥がいた。
アッカドに於ける名はアンズー、
シュメールに於いてはイムドゥグドと呼ばれる。
嵐の魔であり、巨大な雲と強風の顕れたる神であった。
この怪鳥はエンリル神に仕えていたが、
ある日、主人の入浴中に大宝物を奪い取ってしまった。
するとたちまち万物万象のすべては暗黒に包まれ、
世界には滅びが迫った。
怪鳥アンズーが掠めた稀有なる大宝物、
世界と神々とを統べる窮極の王権───天命の粘土板。
是に、怪鳥は触れるべきではなかった。
世界の悉くを危機に陥れたからか。否。
資格なき者が手を伸ばしても王権は応えず、
アンズーは何ひとつとして得られぬが故に。
事実、大宝物はエンリル神の息子たる英雄神ニヌルタに
奪い返され、世界は修復されたのだった。
そして長き時を経て後、人の時代の興りの頃。
大宝物は黄金の都へと収蔵された。
荒ぶる嵐神アンズーは何を想うか。
自らには叶わなかった王権の簒奪を、
神の血を引く人たる英雄王が成し遂げた事に───
コメ1
名無しさん@フェイトでGO!2016/12/13(火) 21:05:26ID:a2a46bf9bbc50思ったよりましな絆礼装だな