ミヅキ「ゴローニャ！一緒にお風呂入ろう♪」アローラゴローニャ「にゃあ！」:ぽけりん＠ポケモンサン・ムーンまとめ

ミヅキ「」

ゴローニャ「……死んでる」

どうしてこうなってしまったのだろうか

ゴローニャは考えた

そしてゴローニャは思い出した

以前も同じようなことをしてしまったということを

ゴローニャはカントー出身だ

ゴローニャはカントーにいた頃は別のトレーナーのポケモンだった

ゴローニャの元主人はリーフと言う名の少女である

ゴローニャは水が苦手だ

だが人間と暮らす上では定期的に体を綺麗に洗わねばならない

ゴローニャはそれを拒絶した

少女は頑固者だった

必死にゴローニャをお風呂に入れようとする少女

ひたすら抵抗をするゴローニャ

その争いを制したのはゴローニャだった

それもそのはずだ

相手はたった12の少女である

ゴローニャは後悔した

しかしその時はすでに少女はゴローニャの下敷きとなっていた

ゴローニャは後悔した

少女はすでに息絶えていた

ゴローニャは後悔した

自分が抵抗しなければ少女は死ななかったのだ

ゴローニャは考えた

どうすれば罪を償えるかと

ゴローニャは考えた

考えても分からなかった

ゴローニャは気付いた

命に釣り合うものは命だけだと

ゴローニャは決意した

少女の後を追いかけようと

ゴローニャは臆した

なにもそこまでしなくてもいいんじゃないかと

ゴローニャは考えた

しかし何も起こらなかった

ゴローニャは決意した

今度は臆さなかった

ゴローニャは海に飛び込んだ

苦手な水に自ら飛び込んだ

ゴローニャは苦しんだ

苦しい助けて死んじゃう

やがてゴローニャは気を失った

どれくらいの時が経っただろうか

ゴローニャは目覚めた

目覚めてしまったのだ

それはつまりゴローニャは生きているということ

ゴローニャは罪を償えなかったということ

ゴローニャは頑丈だった

故に罪を償えなかった

ゴローニャは喜んだ

これは神のお告げだと

ゴローニャは喜んだ

きっと少女がまだこちらへ来てはいけないと言ってくれたのだと

ゴローニャは岸に上がった

そこはゴローニャの記憶にはない場所だった

ゴローニャは歩いた

その短い足で歩いた

ゴローニャは気付いた

転がった方が速いじゃん

ゴローニャは転がった

転がるサイコー

ゴローニャは止まった

これじゃ前見えないじゃん

ゴローニャは自分を褒めた

よくぞ転がるをやめたと

ゴローニャの目の前にはオアシスがあった

あのまま転がっていたらオアシスにぽちゃんだっただろう

ゴローニャはもう水を見るのも嫌だった

ゴローニャは西へ歩いた

ゴローニャは驚いた

そこはまるで廃墟だった

ゴローニャは驚いた

廃墟みたいなのにポケモンセンターがある

ゴローニャは思い出した

残りHPが1しかないということを

ゴローニャは思い出した

ポケモンだけでポケモンセンターは利用出来ないと

ゴローニャは歩いた

仕方ないから歩いてみた

ゴローニャは見つけた

草むらだ

ゴローニャは知っている

草むらにはポケモンが潜んでいると

ゴローニャは喜んだ

今はただ誰かと話したい気分だった

ゴローニャは気が付いた

雪が降っていると

ゴローニャは死を覚悟した

ゴローニャは考えた

死後の世界はどのようなところなのか

ゴローニャは考えた

そこにあの少女はいるのか

ゴローニャは考えた

考えても分からなかった

ゴローニャは後悔した

じゃあさっきの自殺はなんだったのか

ゴローニャは出会った

白い色をしたロコンだ

ゴローニャは喜んだ

喜んでる暇ではなかった

ゴローニャは話しかけた

「ロコンさんロコンさん、雪を降らしているのはあなたですか？」

「こんにちわゴローニャさん。私雪遊びが好きなんです」

ゴローニャはイラついた

てめえの趣味は聞いてねえよ

ゴローニャは必死だった

「ロコンさんが雪を降らせてるんですね？お願いですから今すぐやめてください」

「よく見たらゴローニャさんボロボロ。今すぐやめますね」

ゴローニャは後悔した

馬鹿にしてすみませんでした

「ロコンさんロコンさん、あなたは私の知ってるロコンさんと姿が違います」

「奇遇ですねゴローニャさん。私もそう言おうと思ってたのです」

ゴローニャは運命を感じた

「ゴローニャさんゴローニャさん、ここから東に行ったところにイシツブテの群れがあるんですよ」

ゴローニャは感謝した

イシツブテはゴローニャの幼少期の姿なのだ

ゴローニャは迷った

運命のマイハニーと別れたくない

「ゴローニャさんゴローニャさん、サンド君が待ってるので私は行きますね」

ロコンにはボーイフレンドがいた

ゴローニャはイシツブテの群れを探した

ゴローニャは迷った

果たして姿の違うイシツブテ達と共に生活できるのか

ゴローニャは迷った

姿の違うゴローニャを受け入れてくれるだろうか

ゴローニャは決意した

ここ以外に自分の居場所はない

いくつかの時が経った

ゴローニャは電気を操れるようになっていた

ゴローニャは喜んだ

これで水タイプに勝てる

ゴローニャは気付いた

受ける時は苦手なままだ

ゴローニャは気にしなかった

それでも以前よりはマシだ

ゴローニャは捕まった

ポケモントレーナーの少女に捕まった

ゴローニャはレアポケモンだ

友達のいないトレーナーにとっては

ゴローニャは捕まりたくなかった

だがトレーナーのあまりに必死な形相に折れてしまった

ゴローニャを捕らえた少女の名はミヅキ

ゴローニャの野生生活が再び幕を閉じた

ゴローニャは思い出した

トレーナーのポケモンになったということはお風呂に入る必要がある

ゴローニャは忘れていた

そのお風呂に対する嫌な思い出を

「ゴローニャ！一緒にお風呂入ろう♪」

その時が来てしまった

ゴローニャはお風呂が嫌だった

だが抵抗してはもっと嫌なことが起こる気がしていた

「にゃあ！」

ゴローニャは素直に入ることにした

ゴローニャはご機嫌だ

案外お風呂も悪くない

ゴローニャはお風呂を楽しんだ

極楽極楽

ゴローニャは気が付いた

隣の少女の様子がおかしい

少女はゴローニャの電気に感電していた

ゴローニャは後悔した

少女が本物の極楽へ行ってしまった

ゴローニャは後悔した

やはり抵抗すべきだった

ゴローニャは思い出した

抵抗したらどうなるか

ゴローニャは後悔した

同じ過ちを二度も繰り返してしまった

ゴローニャは後悔した

やはりあの時捕まるべきではなかった

ゴローニャは世界が嫌いになった

人間もポケモンも自分自身も全てが憎かった

ゴローニャは決意した

全てを壊してやる

ゴローニャは決意した

命、爆発

通常の大爆発は所詮瀕死になるだけだ

つまり力を抑えているということになる

この時のゴローニャは違った

己の全てを爆発させていた

ゴローニャは宇宙になっていた

これが死というものなのだろうか

ゴローニャは宇宙になっていた

気が付いたら宇宙になっていた

ゴローニャは宇宙になっていた

なぜ宇宙になったのか？それはゴローニャにも分からない

ゴローニャは後悔した

気付かなければ無のままでいられたのに

ゴローニャは後悔した

無のままなら気が楽だったのに

ゴローニャは開き直った

無のままでは楽だったと思う気もまた無なのだ

ゴローニャは星を創ってみた

自分の体の一部を星にしてみた

ゴローニャは神になった

一つの星を創った神になった

ゴローニャは考えた

この星には何が足りないか

ゴローニャは思い出した

かつて自分が住んでいた星の景色を

ゴローニャは思い出した

この星に足りないのは草と水

ゴローニャはやってみた

だがどうやったら草や水を増やせるのか

ゴローニャはやってみた

やってみたらできた

ゴローニャは思い出した

かつて草や水は自分の敵であったことを

ゴローニャは思った

たまには草や水と手を取り合うのも悪くない

ゴローニャは考えた

まだ何かが足りない

ゴローニャは考えた

ゴローニャがかつて住んでいた星からみてゴローニャはどのような存在だったか

ゴローニャは思い出した

この星に足りないのは生命だ

ゴローニャの星は完成した

後は新たな生命達が発展させるだろう

ゴローニャは見守っている

星の発展を

ゴローニャは見守っている

かつてのゴローニャと同じ過ちを犯す者を

ゴローニャは止めなかった

それが新たな宇宙の誕生に繋がると知っているから

ゴローニャは見守っている

いつまでもいつまでも見守っている

おしまい