学校法人「森友学園」(大阪市)が小学校新築に関し、金額の異なる工事請負契約書を国や大阪府などに提出していた問題で、同府吹田市の施工業者は10日、記者団に学園側の指示に基づき、3種類の契約書を作成したことを認めた。また、正しい契約額は15億5520万円だと明らかにした。
記者団から、学園側にだまされたという認識かと問われた業者の社長は「そうなるよなあ、ほんまに」と答えた。
これに先立ち、府は施工業者に事情を聴くため、建築担当課の職員が業者に出向いた。工事を請け負った業者に直接確認し、学園の報告に虚偽があったか解明につなげる。
学園は、同府豊中市で国から格安取得した土地に小学校を建築。補助金申請などのため、国土交通省には23億8464万円、空港運営会社「関西エアポート」には15億5520万円、府の私学担当課には7億5600万円と、金額の異なる契約書を提出した。日付は全て2015年12月3日だった。
一方、施工業者が工事能力の評価を受けるため、府の建築担当課に昨年9月提出した申請書の添付書類では、契約額は15億5520万円だった。府は8日、業者から「金額は正しい」との回答を電話で得て、9日には契約書原本の提出を受けた。これを踏まえ、詳細を確かめる。
学園は4月の小学校開設を予定していたが、「(学園の)書類に信ぴょう性がなく、虚偽」(松井一郎知事)などとする府は、不認可とする方針だ。