【北京時事】中国最高人民検察院の曹建明検察長(検事総長)は12日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で活動報告を行い、2016年に全国で収賄や横領などの汚職で摘発された公務員の数は、前年に比べ12.2%減の4万7650人だったと明らかにした。閣僚・省長級以上の大物は21人で、前年の41人からほぼ半減した。

 習近平指導部は反腐敗闘争を掲げ、14年に最高指導部メンバーだった周永康・前共産党中央政法委員会書記を摘発。14年は近年で最多の5万5000人以上、15年も5万4249人をそれぞれ摘発した。最近は周前書記に匹敵する大物が関与する不正は立件されておらず、腐敗撲滅のペースダウンが確認された形だ。

 ただ、習指導部が汚職を厳しく取り締まる方針に変わりはなく、高官に対する綱紀粛正は続いている。共産党の中央規律検査委員会は今年1月、16年に閣僚・省長級76人を含む41万5000人を規律違反で処分したと発表した。習指導部は、来年の全人代で検察などの関連機能を統合し、全ての公職者の不正を取り締まる新組織「国家監察委員会」を新設する方針だ。