【北京時事】中国で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、習近平国家主席は軍事技術をてこに産業発展を目指す国家戦略「軍民融合」を加速するよう指示した。習氏は米国のような軍産複合体を育成し、「第4次産業革命」の中核に位置付けられる最先端技術の獲得を目指しているもようだ。
習氏は8日、全人代の四川省分科会に出席し、「軍民融合のハイテク産業基地の建設」を急ぐよう求めた。四川省には軍需産業が集積し、昨年の関連生産高は2800億元(約4兆6500億円)以上。同省は「軍民融合産業基地」の建設に向け12の軍事関連企業グループなどと協定を結び、150の重点プロジェクトを進めている。
軍民融合で研究を急ぐ分野は、戦闘機や宇宙開発に加え、人工知能、ビッグデータといった第4次産業革命の代表的技術が含まれる。習氏が軍民融合を唱えるのは「経済成長が鈍化する中、競争力のある世界的企業を生み出す思惑」(軍事専門家)があるからだとみられている。