中国から伝わったラーメン。今日においては日本で広く親しまれており、独自のアレンジが加わった日本のラーメンは中国にも逆輸入され、日式ラーメンとして人気を得ている。日本人が中華麺を食べたのは、1665年に水戸光圀が最初とされている。
その後、明治時代から昭和にかけてラーメン文化は少しずつ日本各地に広がっていったわけだが、中国メディアの澎湃新聞は9日、日本のラーメン文化の起源をさらに過去にさかのぼって考察する記事を掲載した。
記事は、考古学者は2002年に青海省の新石器时代の斉家文化跡で、4000年前に粟とキビを用いて作った麺を発掘したと紹介し、これは現在知られている最も古い麺であると指摘、従って麺は中国が生まれたものであることは疑いようがないと論じた。
続けて、日本書紀には、曇徴(どんちょう)という僧が西暦610年に石臼を日本に持ち込んだという記載があると紹介、しかし当時の日本は石工技術が発達していなかったために模造することができず、また硬い皮殻に覆われた小麦を木臼でつき砕くのは困難だったために、かなり長い期間にわたり麺は貴族や高い位の僧侶が独占する貴重な食べ物だったと説明した。
一方で東福寺を開山した聖一国師が西暦1241年に水車と歯車を用いた石臼の設計図を中国から持ち帰ったことにより、日本の製麺技術はついに中国のレベルに追い付くようになり、その結果として一般庶民も麺を味わうことができるようになったと説明した。
この記事の要点は、日本のラーメン文化の歴史を日本の製麺技術の歴史と結びつけているところにある。また日本の製麺技術の発達は当時の中国文化がなければありえなかったという見方を示している。中国から伝わったラーメンは、日本を訪れた中国人旅行客が日本滞在中に「最も満足した食事」に数えられるほどになっており、今や日本のラーメンは日本を代表する料理になっている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)