【特集】『時代を先取りしすぎたゲーム』5選 | ニコニコニュース

【特集】『時代を先取りしすぎたゲーム』5選
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現実と見紛うほどのグラフィックや、映画/アニメに負けないほどの多様性を持つゲームは、長い歴史の中で技術とともに進化してきました。しかし、ゲームの中には、先見の明がありつつも表現力が追い付かなかった作品、今の技術なら……と思ってしまう作品がいくつもあったのです。そこで本記事では、『時代を先取りしすぎたゲームたち』を5つ紹介していきます。なお、今回は筆者の独断と偏見であり、コンソール、そして国産タイトルに限定して選出していますのでご了承ください。

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■シェンムー
発売: 1999年12月29日 機種: ドリームキャスト

―時代先取りといえばこれ!今なお愛される3Dオープンワールドの先駆け


2017年現在、オープンワールドゲームはインディーデベロッパーでさえ制作するようなポピュラーなジャンルとなりましたが、ジャンルの先駆者といえば、『シェンムー』になるでしょう。オープンワールド、という名称が一般的ではなかった当時、今作のジャンルは「FREE」とされていました。

3Dグラフィックで緻密に描かれた横須賀の街はもちろん、フラグ管理や、アルバイトなどのサイド要素、ボイスアクター自身が演じるモーションキャプチャーなどが搭載され、今日のオープンワールドゲームでは当たり前となったシステムが組み込まれていました。

2001年には、香港が舞台となる直接的な続編『シェンムーII』が発売。以降長い間シリーズに動きはありませんでしたが、E3 2015にて最新作『シェンムー3』が発表され、Kickstarterでは最終的に6,333,295ドルを調達しました。この記録はKickstarterにおけるビデオゲームタイトル(ハード、ボード含まず)として最も支援を受けた作品(記事執筆時点)となっており、世界中のゲーマーから愛されています。

■パネキット


発売: 1999年8月5日 機種:PlayStation(アーカイブス: PS3/PS Vita/PS Vita TV/PSP)

―これが本当の自由……おもちゃ箱には可能性がいっぱい


「無限工作おもちゃ箱」というキャッチコピーがつけられた本作は初代PlayStation向けに発売されたタイトル。ジャンルは、制作系シミュレーションとでも言えますが、一口で説明するのは難しく、シームレスに繋がった5つの島を行き来して、8種類のパーツを組み合わせて飛行機などを制作。作ったキットを、各島の競技に参加させていきます。

「モノを作る」というゲームは今でもたくさんありますが、本作の魅力はなんといってもその自由度にあります。自由な発想で自分だけのモデルを作り、それを動かすことができるという点において、本作は時代を先取りしていたのではないでしょうか。

現時点では、ゲームアーカイブス版がプレイできますが、PS4向けには配信されていないので購入の際はご注意ください。

■バイオハザード アウトブレイク


発売: 2003年12月11日 機種: PS2

―オンライン普及した今なら…ウィルス抗体を持たない一般人たち


『バイオハザード 2』『バイオハザード3 LAST ESCAPE』と同じ時間軸、同じ舞台を描いた『バイオハザード アウトブレイク』は、クリスやレオン、ジルなどではなく、ラクーンシティに住む一般人をメインに据えた作品です。プレイヤーは、J'sBARと呼ばれる店に偶然居合わせた警察官、ウェイトレス、記者、大学生など、能力値や固有アイテムが異なる複数のキャラから1人を選択。様々なステージから脱出を目指していきます。

本作発売当初、PS2向けのオンラインサービス、マルチマッチングBB(KDDI提供)に対応しており、Co-opプレイが可能でした。しかし、現在はマルチマッチングBB自体が終了済みでオンラインでのプレイはできず、移植もされていないためPS2でしか遊べません。

続編『バイオハザード アウトブレイク FILE2』も発売された


能力の異なる複数のキャラクターが揃ったCo-opゲームは今でも人気は高いですが、当時はオンラインが今ほど広く普及していなかったために、協力プレイがしたくてもできなかったという方も多いのではないでしょうか。ゲーム内容だけではなく、ハード側の時代も先取りしたタイトルと言えます。

■くまうた


発売: 2003年11月20日 機種: PS2

―ボーカロイド?いやいや、くまに歌わせよう!


『くまうた』は当時のソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)より発売されたゲーム。プレイヤーは弟子の白くま(?)に、演歌を歌わせながら(??)成長させていきます。プレイヤーがある程度キーワードを選べば白くまが勝手に歌詞などを構築していく仕様で、好きな単語を覚えさせることも。

そのシュールさは一見の価値アリで、歌詞も白くまが作ってくれるとは言え、プレイヤー次第になるのもポイント。真面目な歌詞にももちろんできますが、ふざけた歌詞にも設定できるので、友人と遊べばその魅力を十二分に堪能できるはずです。

白くまの歌声は音声合成システムによるもので、その特徴は後に国内外で注目を集めることになるボーカロイドにも似ています。知る人ぞ知るタイトルで、文字通り時代を先取りしていたと言っても過言ではないかもしれません……。

■ROOMMANIA#203


発売: 2000年1月27日 機種: ドリームキャスト(後にPS2)
画像は続編『ニュールーマニア ポロリ青春』のものです
―シムピープルよりも先!?男性の人生に介入する謎ゲー
セガよりドリームキャスト用に発売された本作は、青年ネジ・タイヘイの部屋に住みついた神様となって、ネジの人生に介入していく異色タイトルです。1人の人生を覗き見しているような感覚で、時に放置し、時に介入するコンセプトは、MAXISの『シムピープル(The Sims)』に近いものがありますね。

もっとも、『ROOMMANIA#203』は2000年1月27日国内発売、『シムピープル』は同年2月4日に海外発売されていたのでほぼ同時期なのですが、単なる偶然にしては運命めいたものを感じてしまいます。さらに、他に似たジャンルの作品が今でもあまりないというのも先取りしているポイントです。

また、筆者的にオススメしたいのが、作中のネジがファンだという設定の音楽ユニット「Serani Poji(セラニ ポージ)」です。実際にCDデビューも果たしているのですが、楽曲は当時セガに所属していた作曲家ササキトモコ氏(現在フリー)が手掛けています。なお、ササキトモコ氏は音楽だけでなく、原案/脚本/Web制作も担当しています。

のちに、PS2では続編となる『ニュールーマニア ポロリ青春』も発売。その後シリーズ作品はリリースされておらず、遊ぶにはパッケージ版を買うしかない状況です。

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今回は、「時代を先取りしすぎた」ゲームを5つご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

実のところ、紹介したい作品はまだまだたくさんあります。オープンワールドという括りで考えれば『GERMS 狙われた街』や『ミザーナフォールズ』も時代を先取りしていたと言えるでしょうし、ストラテジー要素を持つ『FRONT MISSION ALTERNATIVE』、テニスとドラクエ風RPGが何故か同居した『プロテニス ワールドコート』など、例を挙げれば枚挙に暇がありません。

それに、ゲームデザインが斬新で、マイクを使った野心的な『シーマン』『オペレーターズサイド』なども忘れてはいけないですね。今回はコンソールかつ国産のタイトルに限定していましたが、読者の皆さんはどのような「時代先取りゲーム」を遊んでいたでしょうか? コメント欄で、ぜひ意見をお寄せください。【ほかの画像を見る】【特集】『時代を先取りしすぎたゲーム』5選