GitHubがオープンソースプロジェクトに関する調査を実施し、その分析結果を発表した。GitHubは、開発者がオープンソースとどうかかわっているか、ドキュメントの役割は何か、そして、プロジェクトでみられるネガティブなやりとりのレベルと影響について関心がある。
調査結果は、次のようにまとめられている。
- ドキュメントは高く評価されていますが、たいてい見過ごされています。これは参加しやすくて近づきやすいコミュニティにするための手段になります。
- ネガティブなやりとりは頻繁ではありませんが、非常に目につきやすく、プロジェクト活動に影響を与えます。
- オープンソースは世界中で使われていて幅広いユーザーがいますが、コントリビューターにはそれが反映されていません。
- オープンソースの利用と貢献は、仕事上よく行われています。
- オープンソースは、ソフトウェアを選択するときのデフォルトになっています。
調査によると、オープンソースプロジェクトでぶつかる最も厄介な問題は、不完全あるいは紛らわしいドキュメント (>90%)だ。そのあと、無反応 (~80%)、拒否反応 (55%)、衝突 (45%)、説明なしの拒絶 (33%)、歓迎されない言語あるいは内容 (~15%)が続く。明らかに、オープンソースプロジェクトにはドキュメントの問題がある。おそらく、開発者はコードには愛情を持っているが、ドキュメントを書くのを好まないことが関係しているのだろう。
ドキュメントについて詳しくみると、回答者の93%は、ほとんどのドキュメントが不完全あるいは古くなっていることに不満を持っている。また回答者の60%は、ドキュメントをまったく、あるいはめったに書いていないという。こうした問題は至るところで見られ、GitHubはユーザーに対して、問題があればドキュメントを修正、更新、追加することで、プロジェクト管理者の手助けをするのを推奨している。
プロジェクトへの貢献を決めるとき、ユーザーの67%はそのライセンスを決定要因にしている。プロジェクトの利用については、64%がプロジェクトのライセンスを非常に重要だと考えている。どちらの場合も、ユーザーの3分の2はライセンスを非常に重要視しているということだ。
もうひとつ調査からわかったことは、オープンソースは仕事上、重要だということだ。雇われている人の94%が、少なくとも一度はオープンソースを使ったことがあり、81%が頻繁に使っているという。またコントリビューターの65%は、仕事の一部としてオープンソースに貢献しており、「現在の職を得る上で重要なものとして、多くの人がオープンソースを挙げている」。
また、多くの人は、オープンソースソフトウェアはプロプライエタリなソフトウェアよりもセキュアだと考えている (58%)。だが、安定している (30%)、ユーザー体験が優れている (36%)と、オープンソースを賞賛する人はそれほど多くはない。こうした低い数値にもかかわらず、新しいソフトウェアを探すとき、72%はオープンソースプロジェクトから評価をはじめている。
そのやりとり、参加しやすさ、仕事上の利用などを含め、オープンソースプロジェクトが現在どのように使われているかについて、詳しくは調査の分析全体を読むことをおすすめする。興味がある人は生データ (ZIP) をダウンロードして、さらに分析することもできる。
なお今回の調査では、5,500名の回答者(3,800のGitHubプロジェクトより)がランダムに選ばれ、加えて、他のコミュニティから非ランダムに500名の回答者が選ばれた。