博士「ここに一匹の犬がいるだろう?」
助手「はい、かわいいですね」
犬「ワン!」
博士「この犬を使ってこれから実験を開始する」
助手「はい」
博士「それからこの犬に餌を与える」サッ
博士「食べなさい」
犬「ワン、ワン!」モグモグ
助手「はい」
博士「また同じようにこの犬に餌を与える」サッ
博士「ほら、食べなさい」
犬「ワン、ワン!」モグモグ
博士「ベルを鳴らしてから」チリンチリン
博士「餌を与える」サッ
犬「ワン、ワン!」モグモグ
助手「ふむふむ……」
博士「餌を与える」サッ
犬「ワン、ワン!」モグモグ
助手「……」
――
博士「ベルを鳴らしてから」チリンチリン
博士「餌を与える」サッ
犬「ワン、ワン!」モグモグ
助手「……」
博士「今度は餌をまったく用意せず、ベルを鳴らす。すると――」チリンチリン
犬「ワン!」ダラダラ…
助手「おおっ、犬が唾液を!」
博士「そうなのだ」
博士「この犬はベルの音を聞くだけで唾液を垂らすようになったわけだ」
博士「ようするに、ベルが鳴ると餌が出てくる、と学習したわけだな」
助手「へえ~」
助手「なるほど!」
博士「私たちも、自分の名が後世に残るような研究をせねばな!」
助手「そうですね!」
助手「ところで――」
犬「ハッハッ……」ダラダラ…
助手「面白いですね、これ」チリンチリン
犬「ハッハッ……」ダラダラ…
博士「だろう?」
助手「もっと垂らせ~」チリンチリン
犬「ハッハッ……」ダラダラダラダラダラ…
博士&助手「アハハハハハ!」
チリンチリンチリンチリン… ダラダラダラダラ…
犬『彼らは、私がベルを鳴らされたらそれだけで唾液を出すという行動を繰り返してやると』
犬『ベルをやたらに鳴らすようになったのだ』
犬『ようするに、ベルを鳴らすと私が唾液を出す、と学習したわけだな』
パチパチパチパチパチ…
犬2『素晴らしい研究発表だったよ!』
犬3『ウチの飼い主も一度お手やってやると、お手お手お手お手言ってくるよ。バカの一つ覚えみたいに』
犬4『オレんとこもそうだわ~、ホント笑えるよな。単純というか、なんというか』
犬5『大変面白いテーマでした。ちなみにこの実験の名前はどうするのですか?』
犬『まだ決めていないが、とりあえず“パブロフの人間”とでもしとこうか』
― 終わり ―
元スレ
博士「ベルを鳴らしてから犬に餌を与える。これを繰り返すと……」
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