【HxH】暗黒大陸の五大厄災「ハンター試験……？」 : エレファント速報：SSまとめブログ

ヘルベル「ハンター試験……？」

パプ「ええ、プロハンターになるとさまざまな特権が得られ、ライセンスは売れば七代遊べるほどだそうです」

ゾバエ病「面白そうゾバ！」

アイ「あい」

ブリオン「……」

ヘルベル「オレたちが直々に人間どもに暗黒大陸のレベルを思い知らせるのも悪くねぇ」

ヘルベル「それに使えそうな人間は、暗黒大陸にスカウトして奴隷としてこき使うこともできる」

パプ「ククク、ボクもそろそろ新しい人間を飼いたかったんですよ」

ヘルベル「ハンター試験、受けてみるか！」

パプ「来ましたね……“暗黒大陸の五大厄災”と呼ばれた我々五人が協会を牽引する時が……！」

店主「いらっしぇーい！　ご注文は？」

ヘルベル「ステーキ定食！」

店主「……焼き加減は？」

ヘルベル「……？」

ヘルベル「……あれ、なんだっけ？」

パプ「弱火でじっくりですよ！」

店主「お客さん奥へどうぞー！」

パプ「ちょっとぉ～、いきなりつまずかないで下さいよ」

ヘルベル「わりぃわりぃ」ﾃﾍﾍﾟﾛｯ

ゾバエ病「先行き不安ゾバ……」

アイ「あい」

ブリオン「……」

トンパ「君たち、初受験だね？　オレはトンパっていうんだ！　ジュースでもどうだい？」

ヘルベル「あ、こりゃどうも！」ｺﾞｸｺﾞｸ

パプ「いただきます！」ｺﾞｸｺﾞｸ

ゾバエ病「優しい人ゾバ～」ｺﾞｸｺﾞｸ

アイ「あい」ｺﾞｸｺﾞｸ

ブリオン「……」ｺﾞｸｺﾞｸ

ゾバエ病「痛いゾバ～」ｸﾞｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ

パプ「どうやら罠だったみたいですね……」ｸﾞｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ

アイ「あい……」ｸﾞｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ

ブリオン「……」ｸﾞｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ

ヘルベル「やべぇな……いっそ漏らすしか……」ｸﾞｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ

ブリオン「……」ｻｯ

パプ「おおっ、それは万病に効く香草！　ブリオンさんの地元から持ってきたんですね！」

ヘルベル「助かったぁ……！」

パプ「ええ……彼を加えて“六大厄災”になるのもいいかもしれません」

“殺意を伝染させる魔物”双尾の蛇ヘルベル

“快楽と命の等価交換”人飼いの獣パプ

“希望を騙る底無しの絶望”不死の病ゾバエ病

“欲望の共依存”ガス生命体アイ

“謎の古代遺跡を守る正体不明の球体”兵器ブリオン

“輝ける未来を閉ざす小悪党”新人潰しのトンパ

ヘルベル（……うん、いいかも！）

ヘルベル「お、いよいよハンター試験の始まりだな！」ﾆｮﾛﾆｮﾛ

パプ「どうやらあの試験官についていくのがテストみたいですね」ｽﾀﾀﾀﾀ

ゾバエ病「早い話がマラソンゾバね！」ｽﾞｵｵｵｵｵ

ヘルベル「よぉ～し、あの試験官より前走って、暗黒大陸の恐ろしさを思い知らせるぞ！」ﾆｮﾛﾛﾛﾛ

アイ「あい」ﾀﾀﾀﾀｯ

ブリオン「……」ﾀﾀﾀﾀｯ

ヘルベル「ハァッ、ハァッ……つ、疲れた……！」

パプ「何やってんですか！　ボクたち最後尾ですよ！　威勢よかったの最初だけじゃないですか！」

ヘルベル「だって……まさかこんなに走るとは思わなかったし……」

ヘルベル「もう無理……走れない……」

パプ「いやいやいや！　一次試験で脱落したら、みっともなさすぎですよ！」

ヘルベル「だけどさぁ……」

ヘルベル「――そうだ！　アイに“ハンター試験合格させてくれ”って頼めばいいんじゃね？」

パプ「うわぁ……」

ゾバエ病「最低ゾバ」

アイ「あいたたた」

ブリオン「……ｼﾈ」

ヘルベル「ごめんなさい」

サトツ「ここの動物は侵入者をあらゆる手段で騙そうとします。騙されると死にますよ」

ヘルベル「へっ、暗黒大陸を生き抜いたオレらが騙されるかっての！　なぁ？」

パプ「ええ、暗黒大陸の生存競争の厳しさは半端じゃないですからね」

ゾバエ病「楽勝ゾバ！」

アイ「あい」

ブリオン「……」

ヘルベル「うわぁぁぁ！　崖だぁぁぁ！」

パプ「落ちるぅぅぅぅぅ！」

ゾバエ病「ぎゃあああああっ！」

アイ「あいやー」

ブリオン「……っ！」

ドザザザザッ！！！

パプ「ブリオンさんのおかげで助かりましたね……」

ヘルベル「……ん？」

ヒソカ「ボクがキミらを採点してあげるよ◆」

ヒソカ「アーッハッハッハッハッハ！！！」

ザシュッ！　ズバッ！　ザクッ！

ヘルベル「な、なんてヤツだ……！　あの44番、危険すぎるぜ！」

ヘルベル「殺意をみんなにばら撒くなんて最低だ……！」

パプ「……」

ゾバエ病「……」

アイ「……」

ブリオン「……」

ヘルベル「？」

パプ「他の受験生を探すしかありませんね」

ゴン「レオリオの香水の匂いがするから、こっちだ！」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ

クラピカ「助かるよ、ゴン」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ

ゴン「そっちの受験生たちも、オレについてきて！」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ

ヘルベル「おお、ありがてえ！」ﾆｮﾛﾆｮﾛ

パプ「あの子についていきましょう」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ

ゾバエ病「助かったゾバ～」ｽﾞｵｵｵｵ

アイ「あい」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ

ブリオン「……」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ

ヘルベル「お前たちのおかげで助かったぜ！　名前は？」

ゴン「オレはゴン！」

クラピカ「私はクラピカだ」

レオリオ「オレはレオリオってんだ」

キルア「オレ、キルア」

ゴン「君たちは何者なの？」

ヘルベル「聞いて驚けよ。オレたちは“暗黒大陸の五大厄災”なんだ」

レオリオ「暗黒大陸？　五大厄災？　なんだそりゃ？」

ヘルベル「やれやれ、オレらを知らねえのか？　これだから田舎者は困ったもんだぜ」

ヘルベル「えぇと、まずオレが“殺意を伝染させる魔物”双尾の蛇ヘルベルで――」

レオリオ「何が何やら、だな……」

クラピカ「うむ……まるで神話かおとぎ話の怪物だ」

ヘルベル「信じてねえな！　オレらが本気出せば、人類絶滅も容易いんだぜ！？」

ゴン「すごいや！」

ヘルベル「え、すごい……？（そこはフツー恐ろしくなるとこだろが！）」

ヘルベル「あのゴンってヤツ……善悪に頓着がないんだな」

パプ「ええ、かなり危うい少年です」

ゾバエ病「純粋だけど、白にも黒にも染まる可能性があるゾバね～」

ブリオン「……ﾌﾛｰﾚｽ」

ヘルベル「！？」ﾋﾞｸｯ

アイ「あい」

キルア（オレ、コイツに似た奴とどこかで出会ってる気がすんだよな……でも思い出せない）

アイ「キルア、イケメンー」

キルア「サ、サンキュ」

ブハラ「まずはブタの丸焼きを作ってもらうよ！」

ヘルベル「ブタの丸焼き？　へっ、楽勝だぜ！」

ゾバエ病「とっとと作るゾバ！」

グレイトスタンプ「ブオオオオオッ！！！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯ

ドゴォンッ！

ヘルベル「ぐはぁぁぁぁぁっ！」

パプ「つ、強い……！」

パプ「どうします？」

ヘルベル「そうだ！　いいこと思いついた！」

ヘルベル「まずオレがあのブタに殺意を伝染させるじゃん？」

パプ「ほう」

ヘルベル「そしたらブタ同士勝手に殺し合うじゃん？」

パプ「ふむふむ」

ヘルベル「あとはくたばったブタどもを焼けば、楽勝クリアって寸法よ！」

パプ「それいいですね！　それいきましょう！」

ヘルベル「いやぁぁぁぁぁっ！」

パプ「殺意がこっち向いてますよ、どうすんですか！」

ヘルベル「ブリオン！　頼む！　古代遺跡だけじゃなくオレらを守ってくれ！」

ブリオン「……ﾔﾚﾔﾚ」

ヘルベル「いやぁ～、死ぬかと思ったわマジで。走馬灯見えたもん」

メンチ「じゃあ次は“スシ”を作ってもらうわ！」

ゾバエ病「スシってなんゾバ？」

パプ「どうやらお米を使う料理みたいですね」

ヘルベル「米！？　だったらオレの出番だな！」

ヘルベル「うちの地元でとれる“ニトロ米”！」ｼﾞｬﾝ!

ヘルベル「暗黒大陸にしかないレア米だから、こいつを食わせりゃ一発合格間違いなしよ！」

パプ「あっ、ずるい！」

メンチ「！」

メンチ（なにこの米……あたしも初めて見るわ！　ただならぬ美味の予感……！）

メンチ（でも、今は試験官としてのルールを優先しないと……！）

メンチ「ごめんなさいね。スシとしての形をなしてなきゃ試食対象外なの」

ヘルベル「そんなぁ……」ｶﾞｯｸﾘ

ヘルベル「しょうがない。ニトロ米はあんたにやるよ。せいぜい長生きしてくれ」

トードー「あ、ども」

ヘルベル「楽勝だったぜ！」

パプ「あなた、谷底の川に落ちてブリオンさんに助けられてたでしょうが」

ヘルベル「すみません」

ヘルベル「とにかく次は三次試験だ！　みんな気を抜くなよ！」

パプ「はいっ！」

ゾバエ病「頑張るゾバ！」

アイ「あい」

ブリオン「……」

アイ「あい」ｻｯ

ヘルベル「アイの地元で取れた“三原水”で作ったお酒うめぇ～！」

パプ「試験で疲れた五臓六腑に染み渡りますね」ﾌﾟﾊｯ

ゾバエ病「たまらないゾバ！」

ブリオン「……」ｺﾞｸｺﾞｸ

ネテロ（あ、あやつらは……！？）ｿﾞｸｿﾞｸｯ

ネテロ（とてつもなく不吉な気配……！　まさか暗黒大陸からやってきたのか……！？）

ネテロ（場合によっては、ハンター試験を即中止せねば……！）

ネテロ（とりあえず、危険な存在かどうか確かめてみねばならんな）

ヘルベル「ん？」

ヘルベル「誰よ、このジジイ」ﾎﾞｿｯ

パプ「もう忘れたんですか？　ハンター協会会長のネテロさんですよ！」ﾎﾞｿｯ

ゾバエ病「メンチって女もビビってたゾバね」ﾎﾞｿｯ

ヘルベル「えっ、てことはここでお世辞の一つもいって点数を稼いでおけば……」ﾎﾞｿｯ

パプ「試験が有利になる可能性大です」ﾎﾞｿｯ

ヘルベル「よしみんな……やるぞ！」

パプ「ボクもどうせ飼うならあなたのようなおじいさんを飼いたいなぁ～」ﾍｺﾍｺ

ゾバエ病「今なら副作用なしで不死にするサービスするゾバ！」ﾍｺﾍｺ

アイ「ネテロ、スキー」ﾍｺﾍｺ

ブリオン「……ｱｲｼﾃﾏｽ」ﾍｺﾍｺ

ネテロ（こいつら――）

　　　小　　　さ　　　す　　　ぎ　　　る　　　！　　　！　　　！

ネテロ（ほっといても問題なかろう）ｽﾀｽﾀ

ビーンズ「三次試験の内容は72時間以内にこのタワーを下りることです！」

ヘルベル「おいおい、屋上に残ってるのオレたち五人だけになっちまったぜ！」

パプ「ひょっとして、ボクらってハンターの才能ないんじゃないですかね？」

ヘルベル「それをいうな！　悲しくなる！」

ゾバエ病「手分けして入り口を探すゾバ！」

アイ「あい」

ブリオン「……」

パプ「五人で多数決をしながら進む道らしいですよ。面白そうですね！」

ヘルベル「じゃあみんな、オレの指示に従えよな！」

どっちへ行く？

右→○　左→×

ヘルベル「よっしゃ、ここは左な！」ﾎﾟﾁｯ

○4　×1

ヘルベル「……」

ベンドット「お前たちは3勝しなければ、ここを通過することはできない！」

ヘルベル「なるほど、5vs5マッチってわけか」

ヘルベル「ここは楽勝で三連勝して、あの身の程知らずに暗黒大陸の恐怖と絶望を叩き込んでやれ！」

パプ「はい！」

ゾバエ病「任せろゾバ！」

アイ「あい」

ブリオン「……」

ベンドット「来い！」

ヘルベル「ぐぎゃああああああ！！！」

ヘルベル　×　―　○　ベンドット

セドカン「どっちのロウソクにする？」

パプ「もちろん、長い方ですよ！」

パプ「うわあああっ！　溶けるのが早いぃぃぃぃぃ！」ﾄﾞﾛﾄﾞﾛ…

パプ　×　―　○　セドカン

マジタニ「ふへへ、デスマッチしようぜ……」ｺﾞｷｯｺﾞｷｯ

ゾバエ病「強そうゾバ！　参ったゾバ！」

ゾバエ病　×　―　○　マジタニ

パプ「やっちゃいましたね」

ヘルベル「これでオレらはハンター試験不合格確定なわけだが……」

ゾバエ病「これで終わりじゃあんまりゾバ……」

ブリオン「……」

ヘルベル「ってわけで、ここはしょうがない！　ここ一回だけ、アイにお願いしちゃおう！　一回だけ！」

パプ「でも、アイさんに頼むと、あとでなにか要求されますよ？」

ヘルベル「心配すんな、それはオレが引き受ける。ってことでお前が頼め」

パプ「アイさん、ボクらを三次試験合格させて下さい！」

アイ「あい」ｺﾞｺﾞｺﾞ…

パプ「でも、なにを要求されるか……」

アイ「ヘルベルー、背骨ちょうだい」

ヘルベル「いいよ」ﾌﾞﾁｯ

アイ「肝臓ちょうだい」

ヘルベル「ほらよ」ﾌﾞﾁｯ

アイ「脳みそちょうだい」

ヘルベル「あいよ」ﾌﾞﾁｯ

ヘルベル「ふっ、楽勝だな」

パプ「ボク……今はじめてヘルベルさんのことかっこいいと思っちゃいましたよ」

ヘルベル「オレだってやる時はやるんだよ」

ヘルベル「四次試験はプレート集めだ」

ヘルベル「さいわいオレらは互いにターゲットじゃないし、チームを組んで役割分担を決めようと思う」

ゾバエ病「どうするゾバ？」

ヘルベル「まず、ガス生命体のアイと病気のゾバエは標的を探してくれ」

ゾバエ病「分かったゾバ！」

アイ「あい」

ヘルベル「戦闘になったらパプとブリオンに任せる」

ブリオン「……」ｺｸｯ

パプ「分かりました。で、ヘルベルさんは？」

ヘルベル「ここでゆっくり待たせてもら――」

パプ「あ？」ｷﾞﾛｯ

ヘルベル「すみませんでした」

ヘルベル「もうほとんどプレートが集まっちまった」

パプ「ヘルベルさん、何もしてませんよね」

ヘルベル「あとは蛇使いバーボンとやらを見つければ、オレらは四次試験クリアだ！」

ゾバエ病「あそこに怪しい洞窟があるゾバ！」

ヘルベル「よっしゃ、入ってみようぜ！」

アイ「あい」

ポンズ「出ようとすると、死んじゃったバーボンの蛇が襲ってくるわよ」

ヘルベル「ブリオン、何とかしてくれ！　お前ならあんな蛇ぐらいわけないだろ！」

ブリオン「……ZZZ」

パプ「寝てますね」

ヘルベル「植物兵器のくせに寝るのかよ！　そんなんじゃ古代遺跡守れねえぞ！」

アイ「あい？」

ヘルベル「いや、さすがに二度もアイに頼るのはちょっと……」

ゾバエ病「不死になって、強行突破するってのはどうゾバ？」

ヘルベル「絶対嫌だよ！」

ヘルベル「暗黒大陸の蛇の恐ろしさ、思い知らせてやる！　ぶっ壊死て殺る夜！！！」

ｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞｯ!!!

ヘルベル「ギャアアアアアアアアッ！！！！！」

パプ「予想通りですね」

ポンズ「あのヘルベルとかいう蛇、大丈夫なの！？　すごい噛まれたわよ！？」

ゾバエ病「体だけは丈夫なんで大丈夫ゾバ」

ゴン「どうしたの！？」

ヘルベル「あ、お前たちは……！？」

ゴン「叫び声が聞こえたから、助けに来たんだ！」

レオリオ「すぐ治療してやるぜ！」

クラピカ「あれだけ噛まれたのに、ずいぶんピンピンしているな」

キルア「ったく、世話の焼ける奴らだな」

ヘルベル「ありがてぇ……ありがてぇ……」ｸﾞｽｯ

ブリオン「……」ﾑｸｯ

パプ「あ、ブリオンさんが起きた！　これで蛇を倒して脱出できる！」

ヘルベル「よかったらニトロ米食べる？」

パプ「無尽石もあるよ！」

ゾバエ病「メタリオンも！」

ゴン「いや、いらないよ。お礼が欲しくて助けに来たわけじゃないから」

ヘルベル「なんと欲のないお人よ……」

ブリオン「……」ﾎﾟｯ

パプ「これでボクらは四次試験合格ですね！」

ヘルベル「ああ……あとは残り時間で“アイツ”を探しておくか」

ネテロ「諸君、いよいよ最終試験を始める」

ネテロ「君たちには一風変わった試験をしてもらうつもりじゃ」

トーナメント表

ネテロ「ちなみにこのトーナメント、たった一勝で合格である！」

クラピカ「なるほど、負けた者が上っていくトーナメントというわけか」

ネテロ「その通り！」

ボドロ「組み合わせが公平でない理由は？」

ネテロ「これまでの試験の成績が優秀だった者の方が、チャンスが多く設けられとる」

ヘルベル「つまり、オレの成績は優秀だったってことか！」

パプ「えぇ～……？」

ゾバエ病「絶対採点ミスゾバねえ……」

ブリオン「……ｳﾝｳﾝ」

ヘルベル「うるせえよ！」

ヘルベル「つかなんでオレだけキャッチフレーズがついてんだよ！　恥ずかしいよ！」

ネテロ「ほっほ」

ヘルベル「ほっほ、じゃねえよ！」

マスタ「勝敗は“参った”のみ、相手を死に至らしめたら即失格です！　では始め！！！」

ゴン「いくぞっ！」ﾀﾞｯ

ヘルベル（速いッ！）

ゴン「でやっ！」

ドゴッ！

ヘルベル「ぐはぁっ！　――ま、参った！」

ゴン（早いッ！）

マスタ「ゴン選手、ハンター試験合格！」

パプ「まぁ、こうなるだろうなと思ってました」

ゾバエ病「とりあえずゴン君おめでとうゾバ」

ヘルベル「参ったァ！」

ヘルベル「ブリオン……どっちが暗黒大陸最強か、決着つけようぜ」

ブリオン「……」ｷﾞﾛｯ

ヘルベル「ま、ま、ま、参りましたァッ！」

パプ「おりゃあっ！」ﾄﾞｶｯ

ヘルベル「くそう……参った！」

ポックル「だあっ！」ﾊﾞｷｯ

ヘルベル「手強い……！　降参だ！」

ゾバエ病「不死にしてあげるゾバ」

ヘルベル「や、やめろ！　ま、参りました！」

アイ「哀ッ！！！」ﾄﾞｺﾞｫｯ!!!

ヘルベル「ゲボォッ！　まさか拳法を使うとは……ま、参った……！」

ヘルベル（オレの次の相手はキルアか……絶対強いじゃねーかよ、クソが……）

キルア「オレの負けでいいや」

ヘルベル「へ？」

キルア「あんたとは戦う気がしないんでね」

ヘルベル「やったーっ！！！　やったーっ！！！」

“殺意を伝染させる魔物”双尾の蛇ヘルベル、ハンター試験合格！

パプ「あんなに喜んで……プライドないんですかねぇ」

ゾバエ病「皆無ゾバ」

アイ「ヘルベル、ヘタレー」

ブリオン「……ﾅｻｹﾅｲ」

イルミ「久しぶりだね、キル」

キルア「兄貴……！」

イルミ「お前は天性の殺し屋だ。友達なんか作れないし、ハンターにも向いてないよ」

キルア「ぐ……！」

イルミ「ハンターの資格が必要になったらオレや親父から指示する。今は必要ない」

イルミ「どうしてもハンターになりたいなら、オレと戦うしかないね」

イルミ「オレと戦えるかい？」ｽﾞ…

キルア「……わ、分かったよ。オレは……ハンター試験、辞退するよ……」

イルミ「あーよかった。これでお前と戦わずに済んだよ」

イルミ「ってことで、99番はハンター試験を辞退するってさ」

ネテロ「ふうむ……仕方あるまいのぉ」

ネテロ（闇の住人キルア……まだその闇からは抜け出せぬ、か）

ゴン「……っ！」ｷﾞﾘｯ

ヘルベル「……っ！」ｷﾞﾘｯ

ヘルベル「キルア！」

キルア「！」

ゴン「オレ、絶対キルアを連れ戻しに行くから！　オレたち友達だから！」

ヘルベル「お前はこんなところで終わる人間じゃねえぞ！　分かってんな！」

キルア「……サンキュ（なんであの蛇まで……）」

最終試験終了――

パプ「これでボクらも晴れてプロハンターってわけですね」

ゾバエ病「暗黒大陸じゃ、ライセンスあってもなんの意味もないゾバけどね」

ヘルベル「オレらは暗黒大陸に帰るけど、お前らはどうするんだ？」

ゴン「オレはさっきいったようにキルアの家に行くよ！」

レオリオ「オレもゴンに付き合うぜ！」

クラピカ「私もひとまずゴンに同行しようと思う」

ヘルベル「キルアをゾルディック家とかいう殺意の餌食にさせないでくれよ！」

パプ「ええ……兄のくせに弟をペットのように扱うなんてとんでもないことです！」

ゾバエ病「キルア君を暗殺一家という病気から解放してあげるゾバ！」

ゴン「うん、もちろん！」

ゴン「うん！」

レオリオ「へへっ、暗黒大陸なんて名前からして物騒な場所、金積まれても行きたくねーけどな」

クラピカ（しかし、いずれ目指すことになるかもしれない……そんな気もする）

ヘルベル「……いい奴らだったな」

パプ「ええ、彼らが暗黒大陸に来たら、なにかしら便宜を図ってあげたいですね」

ゾバエ病「でも、彼らじゃまだまだ力不足ゾバねぇ～。多分10分も生きてられないゾバよ」

ヘルベル「オレらの種族にも、そうでない奴らにも、ヤバイ奴らがウジャウジャいるからな」

アイ「あい」

ブリオン「……」

パプ「ええ、四次試験の時にこっそりと」

ブリオン「……」ｸﾞｲｯ

トンパ「なんだお前ら！？　オレをどうする気だ！？」

ヘルベル「お前には暗黒大陸六番目の厄災になってもらうからな。暗黒大陸で研修を受けてもらう」

トンパ「えええええ……！？」

ゾバエ病「頑張るゾバ！」

アイ「あい！」

ヘルベル「じゃ、帰るか！　オレたちの故郷“暗黒大陸”に！」

トンパ「助けてくれぇぇぇぇぇっ！！！」

―　おわり　―